一目見た時から、なんだか危なっかしい奴だなと思っていた。
常に気を張っているが、隙を突けば簡単に崩れてしまうような、そんな危なさ。

そいつの名前はバーナビー。
愛称としてバニー、とニックネームを付けたが、照れ隠しなのかとても嫌がられた。
顰られた眉に、少しばかりの嬉しさが込められてるのを俺は気付いてる。

最初こそ仲良くは無かったが、最近ではオフが重なればデートにも行く仲だ。
バニーは口にこそ出さないが、きっと並んで歩くのは恥ずかしいのだろう、いつも俺は先を歩くバニーの後を追うようにして歩いている。


バニーは、ああ見えて意外とずぼらと言うか、大雑把と言うか、そんな感じだ。
この前なんか個人情報のみっちり書かれた紙をロッカーの中に入れっぱなしにしていたし、しかもその前なんて彼のデスクの、重要書類を入れている引き出しの鍵を閉め忘れていた。

あと、彼は生活リズムはおかしいし、生活能力が無い。
食は細いし、いつも寝る時間が遅く、その割には早起きだ。

洗濯物もあまり得意ではないらしく、よく一度着た下着はもういらない、とでも言うかのように捨てようとするので、その度に俺が洗ってやっている。
昼食はいつも社員食堂で摂っているが、朝食・夕食はインスタントだ。よくインスタント食品のゴミが捨ててある。

そんなこんなで、見ているといつも、「コイツには俺がいないとダメなんだろうな」と思う。

そんなバニーとの、同居が決まった。
しばらく俺はバニーの家で暮らすのだ。

多忙なスケジュールの中での同居は大変だと思うが、そこをなんとかサポートしてやろうと思ってる。

合い鍵は、バニーが仕事で撮影に行っている時に、彼の鍵を貸してもらって作った。

ああ、同居開始が待ち遠しい。











「あら?どうしたのハンサムったら、浮かない顔しちゃって」
「ああ、先輩……、…なんだか最近ストーカーに遭ってる気がして」
「ストーカー?ストーカーって、どんな?」
「休日街を歩いていると後を付けられてるような感じがしたり、夜出したゴミが無くなっていたり、あと捨てたはずの下着が部屋の中に戻ってきていたり、それから……」


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