羞恥心からなのか、それとも悦楽からなのか。
自分自身を高ぶらせていた時とは比べ物にならない程、身体が芯から、炎でも抱いたように熱くなる。

「なんで一人でシてたの?呼んでくれれば良かったのに」
「…引く、と…思って…ぇ…っ!」

そのバーナビーの答えに、虎徹は低く喉で笑う。

「引かねーよ」

虎徹が彼の耳元でそう囁くと、バーナビーは声だけで浅ましい反応を見せる。
高ぶった身体を持て余したバーナビーが、懇願するような表情を浮かべた。

「も……いい、でしょう…っ!」

焦らし過ぎたのか、今日のバーナビーは随分と可愛らしい反応を見せる。
虎徹がほくそ笑みながら触れていった彼の身体はどこもかしこも熱くなっていた。

虎徹がなだめるようにバーナビーに口付けると、歯の間から入り込んだ舌が虎徹のそれを探り出し吸い付いてくる。

「こてつさん…」

声に甘えるような響きが混ざる。
半端に乱れていたバーナビーの衣服を脱がせ、上半身に手を這わせると手のひらにプツリとあたる固い先端が感じられた。
それを刺激するようになで回し、指先で固い粒を転がすとバーナビーの身体が面白いように跳ねる。左右の手で交互にそれを楽しみながら、手早く自分の衣服も取り去った。

「っ…は……う…」

これまでのバーナビーの痴態に煽られ続けた虎徹の方ももう限界で、虎徹はバーナビーの腰をまたぐようにして、熱くなったそれを既に屹立して滴を零しているバーナビーのものに軽く擦り付ける。
すると、もっと強い刺激を求めてバーナビーの腰が浮き、じわりと脚が開いた。

バーナビーの根本を握る指はそのままに、虎徹はその脚の間に膝をつき直し、もう一度押し当てて軽く前後する。

「あ……っ」
「バニーちゃん、いい顔」

バーナビーの顔の両脇についた腕で上半身を支えながら至近距離で囁くと、いたたまれないといった表情で顔を背ける。
大きく脚が開いた分、よく狙えるようになった根本から先端までを疑似的な動きで擦り上げる。

「ふぁ…あっ、あっ」

二つのそれから零れた滴が混ざり合い、ぬるついて感度を上げる。流れ落ちる滴は、この角度では狭間まで届かないが、あえて腰を低く落とさずに前後していると、強い刺激を求めたバーナビーが次第に大きく脚を広げ、腰を浮かせて前を擦りつける動きに合わせて揺らし始める。滴が狭間を濡らし、時折、動きを合わせ損ねた熱いそれが後ろをかすめるようになる。

「あ、あっ、こて…っ!」

時折虎徹のそれかせバーナビーの後ろにあたるのがたまらなくて、バーナビーは泣きそうな顔で首を振る。
濡れそぼって、ぐちゅぐちゅと水音さえたてる2つの物を擦りつける動きを速めると、バーナビーの身体が痙攣するように跳ねた。
本当だったらここで果てているだろう。

「こて、さ……も、無理…!」
「なに?」
「手…離、て…っ!」

再び揺れ始める腰に熱い物を押し付けていると、貫かれる快感を覚えてしまったバーナビーの身体は物足りなさを訴えているのだろう。
あられもなく広げられていた脚が上がり、虎徹の腰に絡み付いてくる。

「はぁ…はぁ…あ、やめっ」

身体は、本来達する直前に来るはずの痙攣をずっと繰り返している。達したいのに達せない状況に、バーナビーはろくに声も出せずに身悶えた。

「イきたい?バニーちゃん」
「…、…っ!」
「なんで今日に限ってこんなになっちゃったんだと思う?」

こんなに、と言うタイミングで虎徹がバーナビーの先端を指の腹で擦る。
いきなり加えられた刺激に、バーナビーは大きく腰を跳ねさせた。

「わ、わか…んな……っ!」
「わかんない?じゃあ教えてやるよ」

目は虚ろになり、身体の力を失ったバーナビーの身体を追って少し腰を落とし、息も整わないその敏感になった肌に虎徹は身体全体を擦り付けた。

「嫉妬、ってやつだよ」
「…しっ…、と…?」
「そう。お前あの女優さんに妬いてたんだろ?」

虎徹がバーナビーの後腔にぬるつくそれを押し付けると、そこはひくりと震えて吸い付いてくる。
数回そこでぐりぐりと先端を押し付け吸い付く動きを楽しんでから一旦腰を離し、親指を差し入れて、押し広げるように入り口を解す。

「妬いて、なんか…!」
「そうかー?」

虎徹は、後孔の浅いところにある1点を弄り続ける。
そして十分に広がったそこに改めて押し付けた物が、今度はじわりと飲み込まれていった。

「あの人と俺見てて、モヤモヤしなかった?」
「…っ、…」
「寂しくならなかった?」

狭いところに分け入る心地良さを堪能しながら、虎徹は呼吸を合わせて一番奥まで入り込む。
と、バーナビーが眉間に皺を寄せて大きく息をはいた。

「なぁ、妬いたんだろ?」
「……妬いて、なんか…!」

その答えに「ふーん」と笑った虎徹が、後孔に入った熱いそれはそのままにバーナビーの前を手に取って強く扱き始める。

「あ…ん、あ、あぁ…っ」
「正直にならないとずっとイけないからな」

激しく扱きながら、軽く浅く繋がったところで身体を揺するとバーナビーの腕が虎徹の首に回りしがみついてくる。
バーナビーの身体を強く強く揺さぶり上げる。抜ける寸前のところで浅く揺さぶり、深く長く押し上げるように分け入れる。不規則な動きに必死になって合わせてくるバーナビーが愛おしいと虎徹は思う。

「…し、まし…た……っ」
「ん?もう一回」
「嫉妬…っ、……しました…!」
「…よく言えました」

虎徹が腰を上げてバーナビーのそこから抜けそうになるまで抜き出し、腰を深く落として一番奥まで突き立てる。もうそこは虎徹やバーナビーのものから溢れ出した熱いもので濡れ泡立ち、じゅぶじゅぶと水音を立てていた。
腰を落とした勢いで、虎徹のものがバーナビーの弱いところを擦る。

虎徹は、出来る限りの強さで腰を叩きつけるように彼の奥を何度も何度も抉った。
ぼろぼろ泣きながら喉から叫ぶような悲鳴を迸らせバーナビーは虎徹に貪られている。あられもなくどころか人としての矜持も一瞬置き去りにして、身を捩り、シーツを掴み、涙に濡れた顔で悦がり悶え声を迸らせ、虎徹に突かれるごとにきつく締めながら迎え入れ、腰の奥と己の欲望とを曝け出すようにして腰を振った。

「ぁあ、ん…っ!」

虎徹がバーナビーの根本から指を離すと、バーナビーは早くも果てた。

「あっ、…ぁぁああああ…!!」

バーナビーが自分の腹部に白いものを撒き散らしながら絶頂を迎えるその間も、虎徹は激しく抜き差しをし続ける。
次第に惚けた顔になっていくバーナビーが自分から大きく脚を開く。あまりに強すぎる快感に、無意識に開いていっているようだった。

己は抑えてバーナビーの良い場所を重点的にしてやりたいのに、虎徹はもう腰が止まらず深くまで抉る動きも止められない。引き抜くごとに根元から先端まで、突き入れるごとに逆に先端から太い根元まで、余すところなく全てに絡みつき締め上げ扱くような彼の体の中の蠢きに捕らえられて、虎徹は我を忘れた。顔を涙に濡らししゃくりあげるように喘ぐバーナビーの声が何度も詰まる。

"嫉妬しました"、その言葉に虎徹の自我は完全に飛んでしまっていた。

「っあ、…ふ…ぁああ…っ」

そのまま一突きに抉られるなりバーナビーが再び身体を反らせて精を迸らせる。そのまま続けて突き動かされて今度はまた出さないまま身体全体で達する。
歓喜の声を上げる身体に虎徹も欲望を何度も注ぎ込み、溢れかえった所をまた突き上げる。

「ひ……ぁああああ…っ!!」

後ろからの女性が感じるような絶頂と、前で達する絶頂とが同時に襲い掛かってきて、バーナビーは悲鳴のような嬌声を上げてがっくりと身を崩す。
痙攣するその腰を強く捉え目を閉じた虎徹は、何度も何度も腰を震わせてバーナビーの中に欲の迸りを流し込んだ。

***


「…あー」

行為が終わった後特有の身体のだるさが襲う。
虎徹とバーナビーは2人して、全裸に近い状態でソファーに横たわっていた。

「嬉しい」
「…何がですか」
「バニーちゃんが嫉妬してくれて」

虎徹は気だるい中で上げた腕を、バーナビーの頭に置く。そのまま髪を梳くように頭を撫でると、バーナビーは表情を和らげてゆっくり目を閉じた。

「…妬いたら迷惑ですか?」
「全然。嬉しいって言ったばっかじゃん」

その虎徹の答えにバーナビーはくすりと笑い、ソファーに頬を擦り付けるようにして体勢を整えた。
バーナビーのその顔は既に眠たそうだ。

「バニーちゃん寝ちゃう?」
「……んん…寝ま、せん……」

寝ないと言いつつもう彼は睡魔に負けてしまっているようで、このまま意識が無くなるのも時間の問題だろうと虎徹は笑う。

「…こて、さ」
「んー?」

半分、いやほとんど眠ってしまったバーナビーが発する言葉は曖昧で、よく耳を澄ませないと聞こえない。
虎徹がバーナビーの口元に耳をあてると、それは聞こえた。

「好き、です……こてつさん…」

それだけ言って寝息を立て始めたバーナビーに、虎徹は言葉にならないくらいの喜びを覚えた。
愛しい。苦しいくらいに愛おしい。

「…おじさんになると涙腺緩んじまって駄目だなー…」

虎徹はバーナビーの身体を抱きかかえ、行為の後処理をするために浴室へと歩いた。


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