あの人が付き合えと言うので、一緒に夜の散歩に 出掛けた。 面白いものが見られるよ、とあの人は言うがボク の趣味とは多分合わない。 着いた時にはショーは最高潮。要のソロと虚化し た死神の群舞で、辺りには血の臭いが立ち込めて いた。

嫌やなぁ。

本当は臭いのも汚れるのも好きではない。横であ の人は笑っているが何が楽しいのかわからない。 ただ、こんなもののために彼女が傷つけられたと 思うとやりきれない。 世話になった平子隊長が苦しんでいるけれど、な んの感情も起きない。ただ、これが彼女じゃなく て良かったと思うだけだ。 でも、あの人に言えば 「何の感情もない、という事を感じているじゃな いか。」 と屁理屈のような答えが返って来るだろう。

あれから百余年たって、彼らは変わらぬ姿でボク の前に立っている。 守りたい者を守り切れなかった者の成れの果て。 結局、平子隊長も六車隊長も、ついでに言うなら 京楽隊長も。 でも、ボクも人の事は言えん。体を抉られ、乱菊 は重傷。 どうでもいいから、早く戦闘を終わらせたい。 死神が勝とうが破面が勝とうが結果は同じ。どう でもいいから、早く傷ついた彼女を安全な場所へ 連れ去って欲しい。

なのに… 死に損ないがしゃしゃり出てきて邪魔をする。 君らがあの人に勝てんのはわかってるやろ? あの人を殺せんのはボクだけ。

もう死神の敗北でええから。それで満足してあの人は王鍵を作りに去るのだから。 余計な事をするな。 余計な事をして戦いを長引かせるな。 あの人を挑発するな。 乱菊を巻き込むな。

ボクは君らとは違う。 乱菊を守ってみせる。

猿柿元副隊長。 そんな突っ込んでって、あの人が派手な鬼道でも 出したらどうするんや。

ほんまに邪魔。

平子元隊長の大事な人なんはわかるけど、仕方が ない。 守れんかった自分のせいや。

「射殺せ。神槍」




お茶様よりいただきました。
ギンが素敵すぎて私的にすごくヤバいです。









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