現ぱろ。



「ギンのばか」

呟くような怒声と共に寸分違わず顔面へと投げ付けられた水色のクッションを両腕でキャッチする。今彼女は俗に女の子の日と云やつらしく、酷く機嫌が悪い。臓がぐちゃぐちゃして、重石を載せられてる気分なんだそうだ。以前尋ねた時、男何かには一生わかんないわよ、とやや不機嫌気味に返されたのを覚えている。わかったら、それはそれで厭だろう。故に大人三人は優に座れるだろう広さのソファを乱菊は一人で使用中。そして追い出された僕はこうしてその脇に立っていた。

「ギンの、きつね、ひょろひょろ、むしろにょろにょろ」

にょろにょろってあれか。某北欧のトロールをモチーフにしたというアニメの、何か白くて長いやつ。生まれてこのかた、狐やひょろひょろは言われた事あってもにょろにょろは初めてや。抑も、にょろにょろってどんな意味やねん。はあ、と態とらしく溜息を付いたところへまたしてもクッションが。勢いを付けて飛来してきた水色を躱す事も出来なくて顔面で受けとめた。地味に痛い。ぼすん、と音を立ててフローリングに落ちたそれを一瞥して、一言。

「何かして欲しいことある?」

「…」

「あったかいもん、いる?」

「…いる」

未だソファに伏せた侭の乱菊を横目にホットミルクでもつくってやろう、とキッチンへ向かった。勿論、彼女の好きな蜂蜜を垂らした飛び切り甘いやつを。




(そのわがままも愛おしい)






蝶菜様リクエストの、現ぱろギンと乱で、振り回されるギンです。
拙サイトのギンはどうにもヘタレですみません。

女の子が我儘な日、と云うことであの日を選びました。
ぎりぎりアウトな気もしなくも無いです。
でも、そんな時に優しくされたら嬉しいですよね(ry


気に入って頂ければ幸いです。














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