寝台に腰掛けた藍染は床に膝を付くギンの顎に手を沿え、ついと顔をあげさせた。中点へと差し掛かっただろう人工太陽は明るく室内のさらに奥、天蓋の内まで痛い程の光を浴びさせる。それに照らされたギンの肌は常よりも白く見えた。 「愛を知らぬなど、可哀相に」 藍染がギンの薄い唇を指の腹でなぞる。紅でも引けばさぞ映えるだろう。今度試してみようか。きっとギンは拒みはしない。 「そないなもん、ボクには必要あらしまへん」 知りたくも無いですわ、と淡泊な声でギンは答えた。藍染は瞳で合図し、ギンを寝台に上げると自分の足の間に膝立ちにさせた。両腕を腰に回し、背中をゆっくりと這うように撫でる。仕方の無い人だ、と言わんばかりにギンは薄く笑い藍染の首に手をまわした。 「相も変わらず可愛いくない」 左腕では未だ腰を掴んだままで、藍染の右手がギンの細い腰をつたい、合わせた襟にかけられた。そこから、滑るように衣の中に右手を侵入させ、胸板を撫でる。ん、と小さく声を漏らしギンがぴくりと動く。肋骨を肉の上からなぞり、首筋、顎、頬と上へ上へと滑らす。右手がギンの躯を弄る度にギンの細い喉から甘い吐息が漏れた。 「せやけど、こないなボクでないと藍染はんはとっくにボクを棄ててはるやろ」 ギンの喉がくつくつと鳴る。せやろ、と艶めかしく小首を傾げた。顔にかけかる銀糸がさらりと揺れて、白い肌を被う。藍染が長いその人差し指をギンの咥内へと差し入れた。肌は雪の様に冷たかったと言うのに、体内は生暖かい。ギンはそれに舌を指に絡ませ、それを愛おしそうに舐めた。 神様と蛇 (アダムとアダムの楽園にて |