狭い世界でぐるぐる回る/イヅギン





微妙に裏あり。









呼吸とともに胸が上下した。ほら、とギンが手を伸ばす。イヅルはその細い手をとった。ぐいとその儘引かれて寝台へと倒れ込んだ。ギンの上に乗って仕舞いそうになり、頭の横に慌てて手をつく。イヅルの金色の髪がさらりと影を作った。

「どうしたんイヅル、」

ギンが笑う。襟の合わせから除く肌が綺麗だとイヅルは思った。いいえ、と言うと襟の内に片腕を侵入させる。そっと襟をはだけさせ、胸を月明かりに曝した。薄く淡い光に照らし出された白い肌は、美しい。胸の飾りに爪を立てて、唇を塞ぎ離す。は、と息を吐くギンの胸が動く。頬が上気して、朱に染まる。情け程度に残っていた帯をイヅルは剥ぎ取った。下肢に絡みついた布は酷く卑猥だ。生きていると言う証に、それらはゆっくりと上下に動く。ギンがイヅルの首に手を回した。白い肌が視界をちらつく。その様すらなまめかしいく思えて、笑みをもらす。イヅルはギンの胸を嘗めた。ん、と小さく喘ぎくすぐったそうに身をよじる。

「イヅル、はやく」

前戯は要らないのだとばかりにギンはイヅル自身を膝で軽く蹴った。そして妖艶に笑う。まともな男に出来る顔ではない。この方はどんな風に生きてきたのだろうか。引きずりの女よりもよほど綺麗だ。イヅルは、溜息を落とすとギンの下肢に手を伸ばし、それに触れた。


(もう出られない、逃げられない)




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