エゴイスティックロマネスク/ギン+神槍

私が天に(ryのあとの話。
神鎗擬人化してしまった。












いつか見た彼女の戦う姿は、彼女の毅然とした面は、殺伐とした戦場に身を置く彼女は、まるで研ぎ澄まされた一振の刃のように美しかった。虚を相手にしてその細い腕に刀を握り戦う。それが何処か僕にはやるせなくて仕方がない。喩え彼女が自分で選んだ道だったのだとしても。彼女が血を被る度、血を流す度。僕の胸は酷く痛む。ぎ、と握った掌が爪に食い込んだ。

「君みたいに独り善がりな奴、やだ」

苦虫を噛んだような顔をした神鎗が傍らで嘆息する。遥か下方からおされた空気の圧が頬を無遠慮に撫でていった。僕の羽織と彼の狩衣が冷たい風にはためく。偽物の空が描かれた天蓋は瞬きをしない星々をうつしていた。どこまでも続く果ての無い白い砂漠を見て、再び天を仰ぐ。

「 乱菊の優しさが傷付くのは、堪えられへん」

「―――じゃあ、彼女以外の他人ならば良かったの?」

とんだ偽善者だね、と薄く笑った神鎗にそうや、と彼の薄い水色の瞳を真っ向から捕らえてはっきりと肯定 する。偽善、正にその通りだ。

「これは僕のエゴやから」

神鎗は僅かに双眸を見開き、次いで苦しそうに顔を歪めた。それは泣き出しそうにも自嘲するようにも見えて、彼は結局優しいのだと思った。僕が彼女の為にある様に、彼も又僕の為に生きている。それなのに、僕は。彼女を守りたいと願うのにこんな術しか知らない。こんなやり方しか出来ない。ああ本当に、僕は何て役立たずなんだろう。



(それでも、僕は君を している)




神鎗の擬人化を妄想している
今日この頃。
あいつ伸びるから、外見年齢を自由に変えられたりすると美味しい。

白殺しの髪でおかっぱ。
で、裸足で狩衣。

でもイケメソ。


[ 21/33 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -