今年が終わるまであと数分。この一年を
 振り返ってみた。思い出すのは、上司や
 部下が起こした問題の後始末をしている
 ことばかり。あれは思い出すだけで頭痛
 がしそうだ。しかし、負けず劣らずに真
 選組の力を存分に発揮出来た結果、攘夷
 浪士をとっつかまえることもできたこと
 、事件を解決できたこと、それらを喜ぶ
 みんなのことだってある。

 「…総悟、寝んのか」

 「…ん…寝やせんよ」

 総悟が欠伸をひとつしてから俺の胸に顔
 をうずめてきた。寝るのかと訊けば、強
 がるように否定の言葉を口にしてうずめ
 ていた顔を離した。予想通りの子供っぽ
 い反応に口元が弛んでしまう。

 「おら、目ぇ擦るんじゃねーよ。傷つく
 だろ」

 「んー」

 擦っている手を優しく掴んで止めると、
 眠たそうな蘇芳色の瞳が向けられた。若
 干、涙の浮かんだ(きっとさっきの欠伸
 のせいだ)瞳はいつみても澄んでいて綺
 麗だ。


 彼はいつでも隣にいた。それが当たり前
 になっていた。一年を振り返っても彼と
 過ごしている時間がほとんどだ。もちろ
 ん今だって。俺はそれが嬉しくてたまら
 ない。これからもそれが続いてほしい。
 彼に伝えたら、どんな顔をするだろうか
 。だいたい予想はつくけれど。再び、口
 元が弛んだ。今度は総悟にみられてしま
 って、憎まれ口をたたかれた。でも、そ
 れすらも愛しくて、ぎゅっと抱き締めた
 。

 腕の中にいるこいつに言葉に出来ないほ
 どどうしようもなく愛しさを感じる。真
 っ赤に染まる耳も普段は腹の立つ悪態も
 さらさらの亜麻色の髪も、そして触れ合
 った肌から感じる君の体温も、全てが愛
 しいんだ。








 君の体温













101231
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