「ひ、じかたさん!土方さぁぁあん!」

 奥の部屋でつらつらと文字が並ぶパソコ
 ンの画面と向かい合っていると総悟のい
 る寝室から俺の名前を叫ぶ声が聞こえた
 。何事かと仕事なんてほったらかしに急
 いで部屋から飛び出し寝室に向かった。

 「総悟!」

 バンッとドアを開けるとそこには広いベ
 ッドの上で小さくうずくまり大きな瞳に
 涙を一杯に溜めた総悟がいた。俺をみつ
 けると消え入りそうな震えた声で助けを
 求めるように再び土方さん、と言った。
 俺が駆け寄るとふるふると肩をも震わせ
 ながら抱き付いてきた。

 「土方さん、っ土方さん!」
 「総悟、大丈夫かっ!?何があったんだ
 !?」

 総悟がこんなにまで取り乱すとはよっぽ
 どのことがあったのだろうと何があった
 のだと問いただす。すると、総悟は部屋
 の端っこを震える指で指差した。

 「あ…あれ…っ!」

 総悟が指差した先には小さい黒っぽい物
 体があった。2、3センチくらいのその
 物体は俺がみるとちょろちょろっと動い
 た。ひっ、と総悟が息を詰まらせ俺にし
 がみつく。どうやら総悟は黒っぽい物体
 、いや、虫に対して泣きそうになってい
 たようだ。

 「早く、取って!」

 俺がティッシュで取ると総悟は安心した
 らしく胸を撫で下ろしていたが、俺が仕
 事の続きをと部屋に戻ろうとすると総悟
 が後ろから首に腕を絡めて引き止めてき
 た。まだ行かないでと珍しく素直に自分
 の気持ちを伝えてきた総悟は相当虫が苦
 手なんだろう。覚えておかなければ。
 まだ仕事はたくさん残っているのだがこ
 んな総悟を置いていけるはずなくてそっ
 と総悟の腕を首から外すとベッドの上で
 胡座を掻いた足に乗せて抱き締めてやっ
 た。
 普段はツンツンして可愛げもないくせに
 たかが小さい虫一つ泣きそうになるだな
 んて、そんな意外なコイツのギャップに
 俺は惹かれているのだろう。

 「…おれが寝るまでここに居なせぇよ」

 すんと俺の首筋に顔をうめて鼻を鳴らす
 総悟にそれは無理な命令だと苦笑した。
 とりあえず、シャツ一枚というその恰好
 をどうにかしてくれないだろうか。








 がんばれ俺の理性!









 親の家に小さい虫が出たんです。
 危うく、私の服に触れるところ
 でした。((((゜д゜;))))ガクブル

 ちなみに社会人×高校生です。年齢的には。
 総悟は拾われました。拾われてまだ数ヶ月
 くらいしか経ってないんです。








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