部屋に戻ると布団の上に生意気で小憎た
 らしい俺の可愛い恋人がちょこんと座り
 込んでいた。

 「…どうしたんだよ、お前から俺の部屋
 に来るなんて珍しいじゃねえか」
 「……」

 トン、と障子を後ろ手で閉めると総悟の
 隣に腰をおろした。すると、総悟はこち
 らを見上げてきた。身長差で必然的に上
 目遣いになる。なんだこれ、誘ってんの
 か?などという考えを頭の中で張り巡ら
 せていると、総悟はクスクスと笑いを含
 ませながら言った。

 「アンタ、今年も自分の誕生日忘れてい
 ましたね」
 「え、」

 俺が固まっていると総悟は俺の首に手を
 まわして抱き付いてきた。

 「今日は5月5日。アンタの誕生日、です
 ぜ」

 耳元で囁かれて潔く気付いた。

 「…あぁ…」
 「、俺が言わなかったら絶対に忘れてや
 したね」
 「忙しくて自分の誕生日気にする余裕な
 んざねェ」

 呆れ気味に言う総悟の腰に手をまわし、
 溜め息をつきながらそう言った。しかし
 総悟は興味が無さそうに相槌を打つ。

 「へぇ、」
 「誰かさんが店壊すわ、屯所壊すわで大
 変なんだよ」
 「あらら、そりゃ大変ですねィ」
 「誰のせいだと思ってんだっ!」

 クスクスと笑う総悟をみて、可愛いだな
 んて思ったことは気付かれてはいないだ
 ろうか。もう少し総悟の笑う顔を眺めて
 いたいという気持ちもあったがそれより
 も訊きたいことがあった。わざわざ、総
 悟からここに来たワケを。

 「…で?」
 「は?何、」

 しらばっくれようとする総悟の細く折れ
 そうな手首を掴み押し倒した。

 「!」
 「わざわざ教えにきてくれたってこたァ
 、プレゼントでもあるんだろ?」

 ニヤリと笑いながら言うと総悟は頬をま
 さにボッと赤くして横を向いた。

 「…どうなんだよ」

 言いながら手首から手を離して着物をゆ
 るく開いて露わになった目の前の白い首
 筋をぺろりと舐める。

 「んん…っ」

 総悟はびくりと震えて俺の方をみた。そ
 の眸には情欲の色が僅かにみえていてひ
 どく興奮した。

 「…なぁ、」
 「っ、」
 「!」

 今更恥ずかしくなったのか、だんまりを
 決め込もうとしている総悟に再び、先程
 の質問を繰り返そうとしたがいきなり総
 悟が首に手をまわして、キスしてきた。
 こいつからのなんて貴重だなーと思って
 いると耳元で総悟が囁いた。引きずり込
 まれるような妖艶な声で。

 「…プレゼントは土方さんの欲しいもの
 全部あげやすよ」

 言うと同時に噛みつくように口付けてや
 った。長い口付けから解放すると総悟は
 普段はみられない、愛でるような笑顔を
 浮かべていた。

 「誕生日おめでとうございやす」








 とびきり甘い、
















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100810 修正
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