11月21日がついにやって来た。
この日を私は何日も待ち望んだ。
朝の教室入り口前、まだ人が少ない時間帯にとある人物を呼び出した。
実行する前は恥ずかしい物だったが、決心すれば案外楽しい。
後は例の人が来るのを待つだけ。

「高尾おおおぉぉぉ!
さっさと姿見せろやあああぁぁぁ!!」

虚しくなって一人叫ぶ。
ちらほらと教室にいる同級生が驚きながらも私を見ていたが、すぐに自分の作業へと移行していた。
何ともまあ悲しい現実。
まあいいかと開き直って長く続く廊下の向こうを見ていると、黒い髪を少し揺らしながら笑顔で私に手を振る男子生徒一人がマイペースに歩いてやって来た。
遅いぞ今日の主役。
だが彼が来た事だし、後は今日限りの私の腕前を披露するばかりだ。
友達にも見せた事がない技を彼に仕掛ける時が来た。
覚悟しておけ。
正に今日が貴様の命日になる事だろう。

「聞こえてるぞー山添」

「何だとっ!?
貴様さては読心術を心得ているのか!?」

「ぶっは!!
何その考え!!
読心術はないっしょ!」

いきなり吹き出した高尾だが今此処で笑われても困る。
私の見せ場がないじゃないか!

「そんな事よりも高尾。
誕生日おめでとう」

「何で山添俺の誕生日知ってる訳?」

「風の噂さ!」

「安っぽい俺の個人情報!」

笑顔が絶えない高尾に最高の留めを指す決意をしよう。
私の口角が徐々に上がっていくのが分かる。
今世紀初の厭な笑みを浮かべた。

「そんな高尾にプレゼントを送ろう」

「え、何かくれんの?
意外だなあ」

「まあ物じゃないんだけどね」

そして私は俯き準備をする。
両手を顔に当てて思い切り左右へ引っ張りながら顔を上へ上げた。
彼の視線へ合わせるのと同時に先程とは比べ物にならないくらいの盛大な笑いが学校中に広がった。


楽しい一日


(おまっ!!!
そのっ、顔っ、反則っ、だろ!
ぶっはははははは!!)

(秘技!ミサ○!!)

(某漫画!!!
あっははははははは!!)

(やかましいのだよ!)












ーーーーーー

高尾君誕生日おめでとううううううう!!!
間に合わなかった小説はギャグだけどおめでとう!!
最後は緑間君が締めてくれる不思議!
後で二人は先生に怒られます。
しかし高尾君は授業中に変顔を思い出して再度爆笑して二度目の説教を食らいます。
しかし、本当に、間に合わない!!
誠心します!













- ナノ -