ゴールに向かってひたすらボールを打つ姿を体育館の隅っこで眺める。 微笑みながら見学をし続けているとやりにくそうに顔を歪めていた。 「いつまで見ていくつもりじゃ」 「監督さんが来るまで」 そう答えると一旦手を止めて私の方を向く。 けれどまたシュート練習へ身を投じた。 私は飽きもせず唯々眺める。 「岡ちゃんってモテないよねー」 そう言っても手を止める事はしない所は本当に真面目だなと思う。 私は反応の一つもくれない岡ちゃんを追い詰めるべく更に言葉を紡ぎ続ける。 「岡ちゃんってゴリラだよねー」 「・・・」 「岡ちゃん一生懸命なのに本当にモテないよねー」 「・・・」 「何でだろうねー」 「もう止めてくれない!? 何その突き刺さる言葉の数々!? 何でモテないを二回言った!?」 やっとで私に向き合ってくれた岡ちゃんに笑顔を一つあげると顔を両手で覆って泣き叫んでいた。 まあこうなる事は想定済みだ。 流石は岡ちゃん。 本当に分かり易い。 「泣かないでよ岡ちゃん。 岡ちゃんはそれでもかっこいいよ」 私が言うと「それでもってなんじゃ」と虚しくも返してくれた。 時計を見るともうそろそろで監督さんが来る時間だと思って立ち上がる。 私がその一つの動作をするまでの間には、もう岡ちゃんは復帰していた。 立ち直り早いな、と心の中でだけ思って教室へと帰ろうと足を進めた。 職員室に寄った後に家へ帰ろう。 そう決めて、最後に岡ちゃんがいる場所を振り返る。 もう肌寒い時期なのに表面にうっすらと汗をかいていた。 「岡ちゃん、また明日来るからねー」 軽く手を振ったら、向こうもまた手を振っくれた。 こういうところが優しくていいのに。 鼻歌混じりに走って私は体育館を出た。 本当に岡ちゃんってば鈍感。 放課後 (何であの馬鹿気付かないアルか) (よし、気付くまで徹底的に弄るぞ) (程々が肝心ですよ) (皆して何してんのー?) ーーーーーー 岡村主将分からねえ。 難しいけどこの人案外鈍感だったらいいよ。 と言う訳で、陽泉可愛いなあ! 陽泉高校本当にわたし大好きなんで多分小説的に多く、な、なるのかな、と思いますが分かりません。 書きたい話しがありすぎますが、本当にお目汚しすいませんでした! ←→ |