アクセル・RO
2016/02/01 02:35


イブが昨日のことのように感じる中で、もう年が明けるのはすぐそこだ。
月日が早く感じるのは私が歳を取ったからか、或いは貴方の隣にいるのが楽しいからか。

「クリスマスはごめんね。」

そんな事を口走ってみる。
もう寝床へ伏せてしまったアクセルに投げかけてみればやはり起きていて、「別に。」と返って来た。
私も、と電気を消して寝床へ潜ってみる。
お互い背を向けて寝るのはいつものことだが、今日はなんだか気持ちが浮いている。

「手握っていい?」

「子供かお前は。」

即答でそう返されたが、シーツが擦れる音と共に手を握ってくれたアクセルは優しいと思う。
相変わらず体温は冷たいが、触れる喜びが勝る。

「ありがとう。」

「早く寝ろ。」

「うん。良いお年を。おやすみ。」

アクセルの手を握り返すように力を込める。
今年はそんなに悪くない一年だったと、振り返りながら私は眠りに就いた。





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