虹村奥泰
2016/02/01 02:20


ガラガラと転げ回るサイコロ二つ。
その賽の目を見た瞬間に頭を抱えた。
尋常ではないぐらいの幸運に俺たちは成す術もないぐらいに、この目の前の達観した女子高生に打ち拉がれたのだ。
相手も得意顔でいて、したり顔だ。
なにかイカサマを使っているとしか思えない。

「坊主達がこの私に勝とうなんざ、あと16年は早かろうて。」

「16年とか微妙だなァ。」

「そこじゃねえだろ奥泰。これで負けたら8連敗なんだぞ・・・。」

賽の目を二つ、出た数を足してそれを予想するそれだけのルール。
誤差±3まで良しとしたこの賭け事に見事、俺たちは負けの危機に直面している。
否、最早負けてしかいない。

「今のところ缶ジュース14本じゃが、まだ続けるというのかね?」

「は?いや、え?14本っておかしくね?
7回負けたから7本だろ?」

「誰が仗助君だけジュースを賭けるだなんて言った?
2対1で女子高生をあの手この手で襲っているんじゃ。
奥泰君も含めてで14本は妥当じゃろうて。」

「お、俺も払うのかよそれぇぇ!!?」

「それよりも言い方を改めろよ!
ちょっと語弊のある諭し方はやめてくれよ!!」

この女子はそれでも不敵な笑みを含めている。
しかしここまでコイツが連勝しているのは不自然だ。
いくら幸運の持ち主であったとしても7連勝とは如何なものか。
これは、イカサマよりももっとタチの悪いものではないだろうか。
そう、例えばスタンド能力だとか・・・。

「また私の勝ちじゃな。」

「ああああああ!!!なんなんだ一体よぉぉぉ!!!!!」





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