アクセル・RO
2016/02/01 02:03


何故かこの人は信じられると思ったのはいつからだろうか。
答えは分かっているようで、でも顔を伏せた。
知ってしまったらもう依存してしまうかもしれないからだ。
それはアクセルさんにとって一番嫌なことだと思うし、私にとってもそれは困る。
いつアクセルさんがここを出るか分からない今、私は彼を好きになってはいけない。
シスターだからでもある。
シスターは神に身を捧げていなければならない。
他人に恋愛感情を向けるのは言語道断。
ルール違反だ。

「と、言うことなんですよね。」

「さらっと言うことじゃあない。」

大きく息を吐く姿を隣で見る。
取り敢えず、思った事を暴露してみた結果、呆れられてしまった。
当然と言えば当然だ。
好きなのに好きになってはいけないと真正面から言われた時の気持ちは男女共々に砕けてしまうだろう。
私だってその一人であると自負をするぐらいには分かっているつもりだ。

「でも私の気持ちは伝えておきたかったので。」

「言い方を改めろ。」

「では好きになれなくてすいません。」

「もういい口を閉じろ。」

そう言いながら立ち上がっては礼拝堂を出て行こうとする足に着いて行く。
会える時間が短いのに彼を怒らせてしまった。
これでは明日彼に会えないのかもしれない。
それは嫌だな、と拳を握る彼の手をたんと握り締めた。
歩みを止めた彼の頬に唇を寄せる。
そうして真正面からまた言葉を投げ掛る。
私にできることはこれぐらいしかないからだ。

「明日も会えますか?」

「・・・シスターは神に身を捧げているんじゃなかったのか。」

「頬ぐらいならば良いでしょう。」

また盛大に息を吐くアクセルさんは、私の頭を撫でながら「会える。」と零していつもの調子で教会を出て行った。
その一言がただただ嬉しくて今日起こる罰も乗り越えていけそうだ、と私も仕事に戻るのだ。





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