ヴァニラ・アイス
2015/10/13 01:31


ヴァニラさんの背中に手を回して衣服をぐっ、と握り締める。
直に伝わる唇の暖かさに唯々恥ずかしくなって、熱くなる体を優しく抱き締めてくれるヴァニラさんに応えるように力を強めた。
一定時間で唇を離して呼吸をして酸素を取り込むと再度くっつく口同士には照れてしまうのは当たり前だと思いたい。
私の口内に入って来る舌を意を決して自分のと絡ませてみると、キスが深くなる。
水音が響くようで耳にその音が転がり込んできては更に熱くなった。
とろとろになった口内を吸われれば気が気でなく、脳が甘く刺激されて力が入らず脱力してしまいそうになるもののしっかりと腕だけは離さずにいた。
腰に回された腕が私を抱き留めつつリップ音を鳴らして遠ざかる。
気持ち良くて恥ずかしくて息が出来なくて、でもやっぱり大好きで。
暫く見つめあって、抱き合った。
ヴァニラさんの温もりに瞼が落ちる。
そんな幸せがこの人生の中で私の一番だ。

「ヴァニラさん、大好きですよ。」

「私もだ。
・・・愛してる。」

好きな人に好きだと言われることがどんなに幸せなことだろう。
だから私はこの幸福に堪らず一つ息をした。






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