アバッキオ
2015/09/11 22:23


すっ、と水に口を付ける向かいの女を見る。
いつもいつも俺に付きまとってくるこのストーカーは何事もないように席につき、ボンゴレパスタを綺麗に頬張っていた。
マナーは申し分ないが、なにせ日頃の行いがいただけない。
まぁ、主にストーカー行為なのだが・・・。

「おい。」

「なんですかアバッキオさん?
なに?アーンを所望?
しょうがないな私としては口移しでもい「いらん。というか即刻俺の前から立ち去れ。」

微笑みを超越した気持ちの悪い笑みを浮かべるストーカーをなるべく汚いものを見るような目付きで睨みつけたが、更に呼吸を荒げさせてしまう結果となってしまった。
無念の他あるまい。
黙っていれば可愛らしい顔立ちをしているクセに、全く残念で仕方が無い。
頭を抱えるしかなかった。

「断るがな!!」

「断るな。」

結局俺から離れないストーカーは食事を続ける。
ここから離れる気も毛頭ないため、俺もまたフォークを持ち上げた。
はあ、今日もまたイタリアは天気が良い。





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