チョコラータ
2015/06/13 01:07


「さっぱり難解だ。」

目の前で量のある食事に真正面から立ち向かう通称男児であるグラを見てそう呟いた。
たまにコイツ等多重人格について考えるのだが、どうもグラだけが理解不能なのだ。
ラグネイアは分かる。
ただヤりたいだけだ。
セーラも分かる。
アイツは俺を好きすぎるあまりどこかで歪んだ人格だ。
イーラは日頃の言えないストレスが爆発した結果ということだけ。
あとの三人も分からないでもない。
自分の意見を主張したら度を越してしまったり、自分がなにより一番であったり、たまには働かずダラダラと過ごしたくもあるだろう。
それは分かる。
よく分かるのだが、一番の謎はこのグラだ。
いつも大量になにかしらを食っては帰って行く。
腹が空いてるだけなのかと思ったが、明らかに成人女性が食べる量ではない。
だからあまり話したくはないが聞いてみなければ分からない。
口の回りに付いているトマトソースを無視して口を開いたのがあの一言だった。

「お前のいる理由が分からん。」

「酷いな〜先生〜。
これでも僕は結構重要ポジションなんだよ?」

こちらを向きながらも咀嚼を止めないところはさすがというべきか。
腕を組んで目を見返しながら更に問いてみる。
もう回答が二つぐらいしか残っていないからだ。
だからその二つに賭けてみなくてはならなかった。

「ストレスで食っているのか、ただの生理前か。」

「うーん、あのね先生。
僕が言ってもあれなんだけど、それ絶対女の子の前じゃあ言っちゃダメだよ?
イーラだったら血管切れるだろうから。
でりかしーだってあるんだからさ。」

それだけを忠告をして食事を再開し始めた。
結局グラは応えてくれなかったが、これだけははっきりした。
正解はストレスか生理前かのどちらかだ。





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