リキエル
2015/06/10 20:25


俺を目の前にしてうとうとと今にも眠り出してしまいそうなヤツは何故か眠らずに我慢していた。
買い物に行く訳でもなし、掃除をする予定があるわけでもない。
首がこくりと傾いてはまた姿勢を戻す様子をさっきからずっと見ているのだが、それが少し不憫に思えて来た。
仕方なく雑誌を片手に立ち上がり、向かいのソファーへ腰を下ろして膝を叩いた。

「眠たいなら寝ろよ。」

「んー、せっかくリキエルがいるのにねたくないよー・・・。」

目を擦りながら可愛い爆弾を投下してきたコイツにぐっ、と拳を握って口を噤んだ。
いつも思うのだがこの素の発言はなんなのだろうか。
心臓に悪いというか、寿命が縮まるというか。

「いや、別にもう会えなくなるんじゃあないし・・・。」

「それでもちょっとー・・・。」

瞼が落ちそうなまま俺の腕目掛けて頭を落としてきた。
膝ではなく腕かよ、と肩を掴んで膝へと移動させる。
静かなまま足を折り曲げて縮こまる態勢は大体寝る時のポーズだ。
頭に手を落としてあやすように撫でる。
気持ち良さそうに目を閉じた。

「今日泊まってってやるよ。」

「んー。」

そして聞こえる寝息に息を吐いた。
のどかだな。
そんなことを思う午後2時に、欠伸を一つ漏らした。





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -