「総悟のバカっ!もう総悟なんて知らない」 そうやって喧嘩したのは、ついさっきのことでさァ。 仕事をサボってたところに名前が通りかかって、いつものように注意されただけなんでィ。 いつもならそのまま一緒に話し込むんだが、今日の俺は機嫌が悪かった。 いろいろあってイライラしてたんでィ。 だから、名前に非は無いでさァ。 …好きな女に八つ当たりしちまうなんて、まだまだ俺もガキですぜィ。 重たい腰を上げた途端、ぱらぱらと雨が降り出し、あっという間に土砂降りになった。 俺の心を表したような天気ですぜィ。 違う…名前の心かもしんねェな。 そんなことを思いながら、雨の中を歩き出す。 たまには濡れて帰るのもありでさァ。 思っていたより雨は強くて、冷たくて…俺の体温を奪っていく。 そろそろ身体が冷え切り、寒くなってきた時。 「何してるの?!」 急に声をかけられ、俯いて歩いていた俺は足を止めて、顔をあげる。 そこにはさっき喧嘩した名前の姿。 自分の傘を俺に傾けている。 「ずぶ濡れじゃない。ほんとバカでしょ」 『うるせェ。ほっといてくれさァ』 「バカ!ほっとける訳ないでしょ」 名前は俺が濡れてることもお構いなしに、俺を抱きしめた。 「こんなに冷たくなっちゃって…。風邪でも引いたらどうするの、ばか……」 本気で心配してくれる名前が愛おしく感じ、力強く抱きしめた。 すまねェ…、と小さく呟くと、気にしてないから、と温かい笑顔を俺に向けた。 愛合傘 その後、俺たちは相合い傘をして屯所に戻った。 総悟、くそ難しいorz もう多分絶対書かないです← 次書くときは、もっと研究します…。 こんな作品を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 心優しいあなたに、心より感謝いたします。 2012.2.14 |