「今日のご飯何なん?」
「お前、また家来るんかよ」
「えぇやんか、別に。お隣さんやねんし、水くさいこと言うなよな」
「お前の場合、ほぼ毎日やんけ」
「そない細かいこと気にすな。柔兄、今日も行ってえぇよな?」
『えぇよ』
「ほんま柔兄、こいつにだけは甘いんやから…」

金造がため息をつく。
甘くなるんとか、当たり前やろ。
なんて言えんけど…。
名前とはちっこい時から仲良うしとる。
家が隣同士っつーことで、いつも一緒に居った気がする。
まあ、簡単に言うと幼なじみっちゅーやつや。
いつから名前を好きになったんかは覚えとらんけど、気ぃついた時には目で追うようなってた。
自分から気持ちを伝えることはせーへん。
…とゆうか、この関係を崩してまうんちゃうか思うとできんかった。


飯も終わって一段落ついた頃、名前が聞いて欲しいことがある、と言い出した。

「あたしな…彼氏できてん!!」

少し頬を赤らめて言う名前。
俺は思考停止。
俺の代わりに金造が口を開く。

「は?」
「せやから、彼氏できてんて」

何度も名前の口から、聞きたくない言葉が発される。

「お前にか?」
「あたし以外に誰が居んねん。てか、金造。年上に向かってちょっと偉そうちゃうか?」
「2つしか違わんやんけ」
「2つもや、アホ」

…彼氏ができた
その言葉が衝撃的すぎて、正直2人の会話なんか頭に入ってこんかった。
俺の頭ん中を、その言葉だけがぐるぐる回る。

「柔兄?祝ってくれへんの?」
『え?いや、うん。おめでと…』

こんな言葉、言いとうなかった。
俺が他の誰よりも幸せにしたるって言いたかった。
名前にとっては、俺はただの幼なじみで、柔兄でしかなったみたいや。
今更後悔しても遅い。
もっと前に、名前に気持ち伝えとったら変わっとったんか?
もしかしたら、いつ伝えとっても名前と俺は幼なじみ以上の関係には、なれんかったかもしれんな。

『名前、おめっとーさん』

俺は自分の気持ちを押し殺して、笑顔でもう一度祝いの言葉を述べた。

「え、あ、ありがと///」そう言った時の名前の顔は、俺の知らん、初めて見る顔やった。


幼なじみ
一緒に飯食ったり、寝たりするんが普通やない関係から始めたかった…。



柔兄は優しいから、好きな子に好きな人が居たら応援してまいそうな気がします。
強引な柔兄も萌えますが←
名前ちゃんは彼氏と喧嘩するごとに、柔兄に相談してそうですw
そして、我慢の限界に達した柔兄が『俺にしとけ…』みたいな?
うあうあ、想像するだけでにやけr(ry

2011.12.15