Sweet lie


「ずっと前から好きでした。もしよかったら付き合っt‥‥」

クラスの名前も知らない女子に告白されている俺
クラスが一緒なのはかろうじて覚えている


あんまり関わった記憶がない人は、ほとんど覚えていない
君と仲良くなったのは、君から声をかけてきてくれたからだったっけ‥‥
こんな時でさえ、君のことばかり考えている

「聞いてる?」

彼女の声で我に返る

『あ、うん。えっと‥‥ごめん。俺好きな人居るから』

彼女は君のことかと俺に聞く
彼女が君に嫌がらせをするのはごめんだ
だから、嘘をついた


そういえば君と一緒に帰る約束をしていたっけ
俺は彼女に別れを告げ、小走りで教室に戻る
でも、そこに君の姿はない
薄暗い教室
さっきまで晴れていた空が急に曇り始める


不意に鳴り響くメール受信音

【用事ができたから、先帰るね】

やっぱり君は嘘をつくのが下手くそだ
俺はすぐに電話をかけた

〈もしもし‥‥〉
『今どこ?』
〈家かな〉

後ろで車の音が微かに聞こえる
俺はもう一度今居る場所を聞く

〈‥‥いつもの公園〉
『一緒に帰るんだろ。そこに居ろよ』

君の返事も聞かず、電話を切った
そして鞄を背負って急いで公園に向かう


ぽつぽつと雨が降り始めた



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2012.3.4



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