「ない…ないないない!!なんでないねん!!!」 「うっさいなぁ。何やねん」 「俺の八ツ橋がない……さては金兄やろ」 「は?何の話やねん」 「しらばっくれんなや。八ツ橋めっちゃ楽しみにしとったのに」 「俺ちゃうわ」 「金兄しかおらん」 「ちゃう言うとるやろ」 「いいや、絶対金兄や。他に誰がおんねん」 「そない疑うんやったら、俺の胃袋あけて見てみー」 「おぉ、あけたろやないか」 「やれるもんならやってみろ。こんのドアホ」 「金兄にドアホ言われたないわ」 「なんや、やんのか?」 「あぁ?そっちこそやんのか?」 「廉造のくせに生意気やねん」 「金兄のくせに偉そうやねん」 「お前ら、さっきからうっさいねん。喧嘩やめ」 「だって、金兄が俺の八ツ橋食うてんもん」 「食うてないわ。なんべん言うてもわからんやっちゃなぁ」 『…えっ。あの八ツ橋、廉造のやったん?』 「そうや。小遣い貯めて買うてきたんや」 『うわー。そらえらいこっちゃ。それ食べたんあたしやわ』 「は?」 「ほらみてみー。俺ちゃうかったやんけ」 『ごめんごめん。また買うてくるし、許して』 「許さん。俺がどれだけ楽しみにしてたと…」 『きゃー。柔兄助けてー』 「廉造、えぇ加減にせぇ」 「……」 『しゃーない。ほな、今から行きますか』 「俺も行く」 「金兄は来んでえぇ。柔兄も行く準備してんなや」 『えぇやん。みんなで行こーや』 「…そんかわり、ぎょーさん買うてや」 『はいはい、2つな』 「……」 2011.11.10 |