ずっと遠いところから歩いてきて、やっとここまでたどり着くことができた。
それなのに目の前には大きな壁。
さすがに心が折れそうだ。
これを越えるには相当な体力が必要だろう。
でも、残念ながら僕にはそんな体力は残されていない。
周りを見渡すと、この壁を越えるのを諦めた人たちがたくさんいた。
みんなが無理だったなら、僕ができなくても仕方ない。
普通のことなんだ。
いっそ僕も諦めてしまおうか。
そうしよう。
そう思って座り込んだ。
中にはまだ諦めず登ろうとしている人もいた。
僕はそんな人を見て鼻で笑った。
そして、どうせ無理だよ、と声をかけた。

「無駄な体力なんて使わないで、楽に生きようよ」

それでも彼は聞く耳持たず、足掻き続けている。
そんなに頑張る必要なんてないだろう?
どうしてそこまでできるのか疑問に思った僕は、彼に問うた。
すると彼は笑顔で答える。

「この先に僕の夢がある。誰にも譲れない僕の夢が…」

そう言う彼はきらきら輝いて見えた。


何日か過ぎ、彼も登ることは諦めたようだ。
ほら、言うまでもない。
結局諦めるなら、努力なんてしなくてよかっただろうに。
そんなことを考えてると、今度は壁に向かって体当たりをしだした。
意味がわからない。
これ以上傷を増やしてどうするつもりなんだ。
すると、あろうことか壁にひびが入り始める。
彼は何度も何度もぶつかって、人が通れるほどの穴をあけた。
その穴を通る時、彼は僕の方に振り返り、一言残して進んで行った。
穴は瞬く間に塞がり、何事もなかったかのように壁は佇んでいる。

―――次は君の番だよ


順番
次は僕の番…。
僕は目の前の壁に向かって走り出した。



久しぶりに夢小説やないやつ書きました。
夢小説以外興味ない方すみませんでしたorz
でも、もしこれを読んで、何か感じて貰えれば…頑張ろうと思って貰えれば嬉しく思います。
閲覧ありがとうございました。

2012.3.2




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