「名前っ!名前っ!!」 『…どうかした?』 「一緒にカラオケ行かない?」 『すごく急な提案なことで』 「いいじゃん、いいじゃん。行こうよ、カラオケ」 『なんで?』 「一緒に歌いたいなぁって」 『わたし、音痴だから嫌だ』 「名前と一緒に歌いたいんだよー」 『えー、どうしようかな…』 「名前がトキヤのパート歌ってさ、デュエットするとかよくない?」 『……やっぱパス。今日は忙しいんだった』 「さっき暇って言ってたの、知ってるもんね」 『うっ…。無理だってー。絶対無理ー』 「なんで?」 『なんでって…なんでだろうね』 「教えるかカラオケ行くかどっちか!」 『どっちも拒否』 「あ、逃げた…。もう!今度は逃がさないからー!!」 ―――無理だってー。絶対無理ー。 ―――なんで? 『音也のパートしか覚えてないなんて、言える訳ないじゃん。ばーか』 2011.12.08 |