『テスト終わったー』 「いろんな意味で?」 『うっ…』 「何?図星?」 『そうゆう薫はどうやねん』 「ボクに聞く?余裕に決まってるでしょ」 『薫に聞いた自分があほやったわ』 「そういうこと」 『…なんで、こんな進学校入れたんやろ』 「自分で言う?」 『だって、絶対場違いやん』 「今更だね」 『薫、ほんま毒舌』 「それこそ今更」 『ちょっとくらい慰めてくれてもいいやんか』 「別に、これから勉強頑張ったらいいでしょ」 『うん…』 「ボクが教えてあげるから」 『薫ー』 「それに、ボクは例え奇跡だったとしても、名前がこの学校に受かってくれてよかったよ」 『へ?』 「受かってくれてないと出会えなかったでしょ?」 『…薫って、時々恥ずかしいことさらっと言うよな』 「そうかな?」 『うん。翔くんにはあんな甘えたなくせに』 「好きな子の前では、かっこよくいたいんだよ」 『それって…』 「そういうことだよ」 『このクラスに好きな人居んの?』 「…鈍感」 『何か言うた?』 「何も」 ―――いつか振り向かせてみせるよ 2011.12.07 |