「藍ちゃーん」

そう言って抱きついてきたのは名前。
同じ事務所に所属してる同い年のアイドル。
同い年だから、それなりに仲良くしてる。
それなりにだよ。

『…何?何か用?何もないなら呼び止めないでくれる?ていうか、気安く抱きつかないで』
「おい、そこまで言わなくてもいいだろ」

本気でそう思っている訳じゃないし。
本当に嫌だったら、まず抱きつかせないでしょ。
それくらいわかりなよ、翔。

「…藍ちゃんのバカ。いいもん、翔ちゃんにするもん」

何言ってるの?
そんなのありえない。

「翔ちゃーっ…!?」

僕が名前の腕を掴んで、翔に抱きつこうとするのを制する。

「はぁ…。お前らもう勝手にしろ。俺は部屋に戻る」

翔は呆れたように、僕たちに背を向けた。

「じゃ、あとでねー。つまみ食いしちゃダメだよ」
「しねーよ」
『あとでって何?』

意味深な会話に少し不機嫌になった僕は、名前に詰め寄り質問する。

「内緒」

名前はそれが恥ずかしかったのか、頬を赤らめて顔をそらした。

『ふーん、僕に隠し事するんだ』
「だって…」

全然教えてくれない態度に、ますますふてくされる僕。

『言い訳ならいらないから。じゃ』
「待って!」
『抱きつかないでって言って…』
「藍ちゃん、怒っちゃや」
『別に怒ってないけど?』

嘘、ちょっと怒ってる。
これから僕のいないところで、翔と何するの?
僕には言えないことなの?
絶対聞けないけど。

「怒ってるもん」
『怒ってないよ。だから、離してくれない?部屋に戻れないでしょ?』

名前の腕を離そうとすると、さっきより強い力で抱きしめられる。

「ダメ」
『は?』
「藍ちゃんは、これからわたしの部屋に来るのー」
『意味わかんない』

どうして翔が居るところに行かないといけないの?

「意味わかんなくていいから来るのー」

僕の手を引っ張って、自分の部屋に向かう。
こうなった名前は言うことを聞かない。

『わかったから、引っ張らないで』
「絶対離さないからね」
『勝手にすれば』


そう言いながら、僕の手をぎゅっとする小さい手を僕も離したくないと思った。
翔にだってあげないんだから。


小さい恋心
ドアをあけると出迎えてくれたのは、クラッカー。

「せーの」
「「誕生日おめでとう」」

さっきと変わって、無邪気に笑う名前の小さい唇に触れるだけのキスをした。



藍ちゃんはぴば♪
遅刻ごめんなさいorz
忙しかったんですよ…。
言い訳ならいらないって藍ちゃんに怒られそうですが←
みなさんは優しいと思うので大丈夫ですよね?w
私情ですが、無事高校卒業できました。
いろいろ忙しくなるかもですが、ちょっとずつでも更新していけたらいいなと思ってますので、これからもよろしくお願いします!

2012.3.2



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