「レン様ー、誕生日おめでとうございますー。それと、こっちはバレンタインチョコですわ」
「レン様、あたしからのも受け取ってー」
「わたしもわたしも」
「レディたち、そんなに急がなくても俺は逃げたりしないさ」
「キャー、レン様ー」

あぁー、もう。
ほんと、うるさいなー。

「あぁなるとは思ってたけど、すげーな、あいつ」

そう話しかけてきたのは、来栖翔。
小さいくせに男気があるから、ファンが多い。

『両手にいっぱいプレゼント抱えてる、あんたが言っても説得力の欠片もないけどね』
「あー、これ?ロッカーに入ってた」

よくそんな量が入るよ。

『はい、これ義理チョコ。こんなに貰ってるんだし、1つ消費するものが増えても一緒でしょ』

わたしは翔が抱えてるプレゼントの山の上に、自分のチョコを乗っけておいた。

「サンキュー!名前からとか、すっげー嬉しい///」
『はいはい、どーもどーも』

翔を軽くあしらって、教室を出る。
あと渡さないといけないのは、レンだけか…。
あの輪の中に入るのだけは勘弁だしなー。
う〜ん…、どうしようかな。
別にあれだけ貰ってるんだし、わたしがあげなくてもよくないか?
うん、別にいいだろう。
欲しいと言われた訳じゃないし。


結局レンに渡さないまま放課後になった。
今日はパートナーの事情で練習はなし。
そそくさと寮に戻る準備をして、学園を出ようとした所で呼び止められた。
振り返ると女の子を連れていないレンがいる。
なんて珍しい光景なんだろう、と感心してしまった。

「レディは、オレにプレゼントをくれないのかい?」

そんなことで呼び止めたんですか。
いや、まぁ、プレゼント持ってますけども。

『そんなに欲しいの?』
「あぁ。欲しいとも」
『あんなに貰ってたくせに?』
「レディのものは特別だからね」

この言葉で何人騙され…じゃなくて、落とされてるんだろうか。

『はぁ、さようでございますか。ほれ』

レンにプレゼントを投げる。

「ありがとう。大事にするよ」

そう言って、レンはウィンクを残し立ち去った。
その後、嬉しさの余りレンの頬が綻んでいたことは、知る由もない。


特別
ぶっきらぼうに渡されたソレは、甘さ控えめのクッキーだった。



レン、はぴばー。
この温度差好きです←
誕生日ネタやのに甘くしたれよとも思うんですが、これも愛ですよw
ちょこっと翔ちゃんが出てるのも愛です。
だって、翔ちゃんにバレンタインチョコあげたかっt(ry
少しでも、この温度差に笑っていただければ幸いです。


2012.2.14




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -