ここには、寂しくなったらよく来る。 昔、翔と薫と一緒によく遊んだ場所。 わたしはずっと翔に想いを寄せながらも、伝えることができず、彼は人気アイドルになってしまった。 別に翔が活躍したり、周りに認められることが嫌な訳じゃない。 ただ、ちょっと寂しいだけ。 まだ翔のことを好きでいる、乙女心がちくちく痛むだけ。 だから、こうやってここにきて叫ぶんだ。 『翔のバカヤロー。アイドルになっちゃったら、もう会えないじゃんかー。わたしの恋心を返せー。わたしの青春を返せー』 どうせ届かないのに。 届くはずないのにね…。 『でも、好きだー。チクショー』 …ふぅ。 すっきりした。 実は最近のストレス発散法だったりもする。 そろそろ帰ろうかと思った瞬間。 「人のことバカ呼ばわりすんじゃねー」 聞こえるはずのない声がする。 後ろを振り返ると、居るはずのない翔が立っていて…。 わたしと目が合うと、にっと笑って叫び続ける。 「アイドルになったって会えるに決まってんだろー。そんで、お前の恋心は返さねーよー。俺もお前が好きだー」 翔は少し恥ずかしそうに、はにかんで笑う。 わたしは居たたまれなくなって、翔の元に駆け寄った。 遅くなってごめんな、と言って手を差し出す翔。 その手をしっかり握って、待ちくたびれたよ、と笑ってみせた。 叫び声 諦めなければ、いつか、きっと届くから。 こうゆうの好きw 夕日がバックにあるイメージです。 気持ち短いような気がしますが…。 気にした負けですよ♭ 2012.2.11 |