『まあ様ーっ』 わたしは勢いよくドアを開ける。 「…部屋に入る時くらい、ちゃんとノックをしろと何度言えばわかるんだ」 『ごめんなさーい』 「それと…なんだ、その呼び名は」 『女の子たちがそう呼んでたんだもーん。リンちゃんも呼んでたし』 「だからと言って、お前がそう呼ぶ必要はないだろう」 『いやー、思えばまあ様のこと呼んだことないなあと…』 「まあ様と言うな」 『ぶー。じゃあ、まあくん?』 「……」 …無言の抵抗ですか。 それでも、わたしは負けじと違う呼び方を提案する。 『まあちゃん?』 「…普通に呼べないのか」 『…真斗』 「…っ///」 あ、照れた。 ほんと可愛いよなー。 だから、いじるのは止められないんだよね。 『照れるなよー』 「だ、断じて照れてなどいない!」 どもってるし。 顔を赤くして言われても、説得力に欠けるんだって。 『叫ばなくても聞こえてるから』 「…すまない」 素直なところも、また可愛い。 『ほんと真斗は可愛いね』 また照れることを期待して、あえて名前を入れたんだけど…。 「その言葉は男の俺にではなく、俺がお前に使うものだろう」 え?!反応するところはそこですか。 『なんで照れないんだよー。せっかく名前読んだのに』 「お前に名で呼ばれるのは、なんだか心地よい」 今度はわたしの方が体温上昇。 さらっとそういうこと言わないで欲しい。 「顔が赤いが、照れているのか?」 『う、うるさい』 「ははは、可愛いな。名前は」 ………今、名前…。 もっと赤くなったわたしを見て、真斗はまた笑う。 『もー、バカ』 天然純粋騎士 そういうトコも全部好きだけどさ。 書いてるこっちが、不覚にもニヤけてしまったw ということで、真斗初夢でした。 所々京都弁なんが好きです。 やっぱ親近感わくし、書きやすいですしね。 2011.11.09 |