俺は目を疑った。
まさか、こんなメールが届く日が訪れるなんて…。


Receive Mail[1/500]
Date 11/10 16:45
From 名字名前
Subject
――――――――――――――――
傷つくかもしれないけど…
みんなの前で、良いかっこして
外見ばっかり気にしすぎだと思う。
だいたいさ
いつもわたしに意地悪ばっかするし
すぐに怒るし
嫌いなんだよー。


『はぁ…』

もう何回目のため息だろう。
さっきからため息しか出ない。
そんな俺を見るに見かねて、那月が声をかけてくる。

「翔ちゃん、さっきからため息ばっかりですよぉ。どうかしたんですかぁ?」
『ちょっとな…』

さすがに那月に相談することはできねぇよな。

「じゃあ…」
『却下』
「まだ、何も言ってないです」

那月の何かひらめいたようなトーンの声が、第6感を騒がせたから早めに拒否。

「せっかく元気つける為にお菓子でもって思ったのに…」
『俺、ちょっと出てくる』

那月が変なモノを作る前に退室。
あいつが作ったモノなんか食えるかよ…。


「翔!」
『…音也?』

後ろから音也の声が聞こえて、立ち止まる。

「何かあった?」
『えっ…』
「背中が寂しそうだったから」

いつもなら、お前はエスパーかってツッコミを入れるところだが、あのメールの衝撃は強かったみたいだ。
そんな元気すらない。

「で、どうかした?」
『実はさ…』

音也にメールのことを話してみた。

「それ…もしかしたらあれかも」
『あれ?』
「縦読みのメール」
『は?』
「なんか、最近女子の中で流行ってるらしいんだよね」

疑問符ばっかり飛ばしている俺をよそに、説明を続ける。

「行の頭文字を繋げて読むんだって」
『ふーん…』
「まぁ、実際にメール見せてもらった訳じゃないから、わからないけど…」
「一十木くーん!」
「ごめん、今行くー。…じゃあ、俺今から練習だから」
『おぅ。サンキューな』
「うん。また明日」
『あぁ』

音也と別れて、さっそくメールを読み返すために、受信箱を開く。

【き み が だ い す き】

メールを読み終えた俺は、そのまま名前の所へと向かった。
俺の気持ちを伝えるために…。


隠された愛言葉
「名前っ!!俺もお前が好きだ」



あいうえお作文にハマった時に、考えたメールだったりなかったり←
鏡音レンのツンデ恋歌から、アドバイスいただきました。
自分やったら、こんなめんどくさいメールは、絶対しませんねw

2011.11.10



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -