ロマンスブルー 静かに悠久を過ごせば過ごすほど人は退屈を嫌い遊戯を欲す ただ、それは人間の性だ 抗えないし抗いようもない ならば従え。されど抗う。 矛盾した滑稽な羅列を並べるのはこれで何度目だろうか 「やあ石田。君は相も変わらずぶっきら棒だ。その風貌をもっと生かしたまえ」 「黙れ戯言女。貴様の狂言は聞き飽きた。貴様こそその矛盾をどうにかしろ」 「それは天と地が引っくり返ろうと、戦が無くなろうと不可能だ。私は矛盾と嘘が三度の飯よりも好きなのだから」 だからこそ、私は率直で嘘を吐かない石田が嫌い その反面、絆を謳い太閤を葬った矛盾をした徳川が好き 矛盾も嘘も私は同類にしか思わないし思えない 例えば、私は親孝行者だと豪語する輩が親を殺したらどうだろう。 親孝行者と言いつつ殺す、それは矛盾 親孝行すると豪語し殺す、それは嘘 ほらどうだろうか。 矛盾も嘘も同じなのだよ まあ詰まるとこ私が言いたいことは、だ。 世界が滅ぼうと世界が嫌おうと私は意志を持たない嘘吐きを繰り返す野蛮な輩を突き通すということだ 支離滅裂な説明だ、まったく 正す気もないからこうなるのだが 「石田、私は君の部下だ。そんな私が貴様を裏切り、徳川についたらどうする?」 「死ね。戯言はそれだけにしておけ」 「いやいや。嘘は好きでも戯言は嫌いなのさ。私は君に一生を捧げてもよかった。けれど私は嘘吐きだ」 嘘吐きは本当のことを真正を言わない 「私は君に忠誠を誓えど、嘘を嫌う君が嫌いだ」 「………貴様………」 「そう、私もだ」 「貴様もか、梁歌―――――――」 「そう。私も君を裏切る。私を信じた時点で君の負けは確定していたのだ、石田三成」 ああほらまた嘘を吐く 愛したとて私は愛する人に嘘を吐く 最低だ 「さよなら、石田三成。嘘吐きの私を許してはくれるかい?」 許してほしくない それは私の罪なのだから 『さよならロマンスブルー』 |