エンドレス



*not夢主
*BLあり
*女体化あり
*死ネタあり


どうして俺は男に生まれてしまったのか
どうして君は男に生まれてしまったのか

どちらかが女に生まれれば、子を孕むことが出来たのに



「政宗殿は男児であるのに、時折女子のような考えをなさる」

「Ah?」

「今だって、子を孕みたいなどと、仰って」

「Ha!お前は、欲しいと思わないか?」

「政宗殿との子であれば、欲しい」



男と男じゃ子は孕めない

せめて、俺は女であったなら

幸村と籍入れて、子を孕むことが出来たのに



「今は男であっても、きっと来世はどちらかが女になろうぞ」

「何でそう言い切れる」

「某の嫁は、政宗殿一人でござる」



ニコリと笑むその姿は、一点の曇りもなかった











平成、それは俺たちのいた世界では未来といった

戦国、それは俺たちのいる世界では過去といった


幸村の言う通り、俺は女となった


これで幸村が男であるならば、幸福だった


でも、



神は世界に、優しくなどない




俺は、墓前にいた



「あ、伊達ちゃん」

「…………」

「旦那の三回忌、覚えててくれたんだ。ありがとー」

「………恋人の命日、忘れるわけねーだろ」



幸村は、十八という短すぎる生涯を終えた

突然の事故死

たまたま部活が遅くなって

たまたま傘で視界が悪くて

たまたま車が突っ込んで

全ての偶然が重なって起きた、必然の事故死

何故あいつなんだ

どうして俺の最愛の人を奪うんだ



「伊達ちゃん、今付き合ってないの?」

「…………ああ」

「勿体無い」

「………ああ」

「……大丈夫?」

「……………ああ」



たとえ俺が女になっても

たとえお前が男であれど

お前がいなくちゃ、何一つ成り立ちはしない



「送るよ。家どこ」

「いい。俺は………ここにいたい」

「………今日雨降るって予報あったから、傘置いとくね」

「Thank you」



猿飛は苦々しく笑みを浮かべ、墓を去った

俺は、幸村の墓をいとおしげに撫でる



「…………ゆき、むら………」



雨が俺を、墓を濡らす

次第に強まる雨は、止むことを知らない



「逝ったら、怒るか?」



怒るだろうな

でも、お前のいない世界で何を生き甲斐に生きろというんだ



「……………一人にしちまって、ゴメンな」



今も昔も、お前一人を先立たせて

でも、



「残る方も、辛いんだぜ」



二度と会えは、しないのだから