枝垂桜は、咲かなくなった
枝だけの木を誰も見ない
私を例外として
雨が降る
桜が散る
どちらも同じだった
ただ静かに同じことをしているだけ
それだけ。たった、それだけ。
奴は愛でた枝垂桜の下で逝った
だから私も愛でた者と同じ場所で逝く
静かに、誰にも邪魔されずに
心残りもなく、静かに
血が流れる
意識が朧となる
ガシャンと刀の落ちる音がした
そして、静かに
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