ふわりと血の匂いが鼻腔を突いた

ああ、誰かが傷付いた、もしくは死んだと私は静かに悟った



「……名前、殿?如何された?」

『いえ。少し何かの香りがいたしましたので』



あえて血の香りと言わないのは、疑わせないため

私は中立の立場であって、物語の主人公であってはならないのだ




「香り、と申されますと。コレでは?」




そっと腕で私を抱きしめ、近くに寄せる

ああ、確かにこの香りだ




『ええ、そうです。これは何のお香で?』

「香などと大それた物ではござらぬ。人の血でござるよ」




無垢な童のように笑みを浮かべる

やはり人の血でしたか

真田様が理由もなく、人を傷付けた、殺したというのか




『血ですか。でも何故?』

「名前殿を疑う輩がいたもので。少し、片付けて参った」




片付ける、殺す

それは同じ意味合いだった


この方も政宗同等、狂っているのか




『そう……ですか』

「名前殿が気に止むことはござらぬ。あの輩共など、いてもいなくても同じ。死体の処理など佐助がいたす」

『しかし………命有る者を何故そのように………』

「分からぬと、そう申すか?」

『…………はい』




真田様は濁った瞳で、からからと笑う

耳に唇を寄せ、静かに囁いた




「某のものを傷付ける奴などいらないからだ」




いくら私でも背筋が凍った

たった数日でここまで狂ってしまうのか




『………そう、ですか』




私には、そう返事するしか出来なかった



―――――――――――
睦姫様へ
結局ヤンデレになってしまいました
幸村好きなんですけどね!
以下返信です














返信!
傍観生活お読みいただきありがとうございます!
私も腐ってるのでぜひ混じりたいです。
自分の好きなCPを詰めまくってる連載ですが。
在科にはもっと腐ってほしいです←
リクエストありがとうございました!





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