それはあたしからすれば変わりのないただの人間だ

どれだけ皆に嫌われようとただの人間だ

嫌われていることに気付いていなくても、ただの人間だ


そしてあたしは、ただの傍観主だ


たとえ、こんな状況であっても



「ああ、苗字同級生は見目美しいな。私と比になどならない」

『ふーん』

「めだかちゃん、苗字は美しいより可愛いだろ」

『ふーん』

「善吉、貴様の目は節穴か?可愛いという部類は喜界島同級生のような者を言うのだろう」

「黒神さん、人吉は可愛いの部類しか見てないんだよ。だから苗字さんの美しさに気付かないんだよ」

「なるほどな」

『ふーん。ね、どうでもいいけどさ、』



糸志士さんに、見られてるよ?


そう言えば黒神たちは舌打ちをし、すっとあたしの側を離れた

やれやれ、これは面倒なことになりそうだね













「どういうことよ」

『なにが?』

「めだかたちよ!あんたみたいな脇役にどうして靡いてるのよ!」



靡いてるっていうか、あたしからすれば邪魔だけどね

靡いてるというより、狂っているだもの



『さて、なんのことだか理解できない』

「とぼけないでよ!あんたが何かしなきゃめだかたちがあんたなんかに――――」



パァンと漫画でよく聞く音が耳に届いた

熱を持ち痛みが伝わるそれは、殴られたのだと理解できる



「今度めだかたちに何かしたら、これぐらいじゃすまないわよ!?」

『っ―――――――』

「なに、ビビって声もでない?言っとくけど、あんたが―――――――」

『糸志士さん、あたし優しいから教えるけど。生きたいなら、逃げな』



だってあんたの後ろ

笑っているけど、怒り狂っているめだかがいるんだもの



「あ、めだ―――――――」



メキャリと骨の砕ける音がした

糸志士さんの右肩の骨が砕けた音だ



「糸志士同級生、誰も望んでいないことを、貴様は何故する?」

「めだ………めだかっ」

「呼ぶな。貴様の掠れた声で私の名を、」



ねえ、めだか

あんたは言ったね

「誰も望んでないことを、何故するか」って

じゃああんたの今の糸志士を痛め付ける行為は

誰か、望んだのか?

少なくとも、あたしは望んじゃいないよ

勘違いしないで













「苗字どうきゅうせ―――」

『なに、してんのさ』

「………漠然とした聞き方だな」

『あたしが望むと思った?バカじゃないの?自己満足だよ、そんなの』



あたしなんかのために、何してんだか



『バカ、あんたほんとに、バカだよ』

「苗字同級生、私は、私たちは」

『ばーか………』



冷たい雫が、顎を伝い落ちる



『あ、たしなんかのために、動いたり、してさ………』



ああ、本当にばかなのは、あたしなのかな



―――――――――――――――
夜魅様へ
悠戯が力尽きました←
あんまり傾向に添えなくてすいません!
く、クレーム覚悟です!
リクエストありがとうございました!





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