私が二十のとき、小十郎は十七、梵天丸様はわずか七つだった

可愛い盛りで、私を見掛けると梵天丸様は覚束ない足取りでてちてちと歩みよってきたものだ



「梵天丸様、なりませんよ。そのように姉貴に着いていっては何をされるか分かり………ぐはっ!」

『梵天丸様、名前めが和菓子をお作りいたしました。如何です?』

「食う!あ、名前。今な、小十郎が突然倒れたんだ。なんでだ?」

『きっと疲れているのですよ』

「運ばなくていいのか?」

『ええ、大丈夫です。その内生き返り……起きますので。ささ、どうぞこちらへ』



物言わぬ小十郎はぴくぴくと痙攣している

まったく梵天丸様に目の毒だからやめてほしい



「名前の作った菓子はうまいな!」

『ありがとうございます』

「名前はきっといい嫁になるぞ!」

『ふふっ』



そんな微笑ましい光景の中、雑音が響いた

けたたましい足音だ



「姉貴ィイイイイ!!!お前ホントいい加減にしろよ!?」

『やめてちょうだい、小十郎。梵天丸様のお食事中ですよ』

「申し訳ありません、梵天丸様」

『貴方なんてそこらへんの女子と乳繰り合うだけでしょう、と梵天丸様も仰っていますよ』

「言うか!」

「なー名前。乳繰り合うってなんだ?」

『大きくなれば分かりますよ』

「そうか、そっか!」

「そんな風になぁ、馬鹿みたいな態度とってると貰い手つかなくなるぞ!?」

「貰い手?」

「嫁に行けなくなるということです」

「え、名前、お嫁さんになれないのか!?」

『え、いや、違います。小十郎、貴方のせいで私がこんな辱めを………』

「でも大丈夫だ!俺が名前をお嫁さんにしてやるぞ!」



子供の戯れだと思ったのも束の間

見事なりましたよ、ええ













「なあ小十郎」

「はい?」

「名前って若い頃美人だったんだって?いや今も美人だけどよ」

「はあ、まあ。美人の部類に入るんでしょうね。性格は他を圧倒するほどさいあ……げはっ!」

『政宗様、お茶にいたしませんか?』

「ok.小十郎は………」

『大丈夫ですよ、ささ、冷めぬうちに』



今も昔も、なにも変わらず

まったく幸せなことだ



――――――――――――――
やはり今回も小十郎が犠牲に
鬼女=小十郎(たまに筆頭)が犠牲者
以下返信です














返信!
十万筆頭ありがとうございます!
そして二度目のリクエストも!
これからも力の限り頑張らせていただきます。
リクエストありがとうございました!





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