裏と表

それを聞いて人は何を連想するだろうか

コインを連想するものも
カードを連想するものも
人の素を連想するものも

それは人によって様々であるから、答えなどない



「裏表(リバーシブル)」

『………なにか用、毛利』

「貴様の能力(マイナス)のことだ。どんな能力(いたずら)か知りたくてな」

『そのままさ。響き的に安心院の手のひら孵し(ハンドレット・ガントレット)に似てるけどね。能力的にはちょいと違うよ』




見知らぬ梅香(コピーマジシャン)より使い勝手が悪いかもしれないけどね

私の数ある能力(マイナス)の中の裏表(マイナス)


裏表(リバーシブル)


つまり、字の如くなのさ




『字の如くだよ。裏を表に、表を裏に』

「それがどうしたというのだ。第一、それは過負荷(マイナス)ではなく、異常(プラス)ではないか?」

『裏表(リバーシブル)は立派なマイナスだよ』




種明かしをしてしまおう


裏を表にし、表を裏にする


つまり、「物事を能力を逆にしてしまう」




「解せぬな。やはり過負荷(マイナス)では……」

『人の生きているという能力を逆にしてごらん?生の逆は死だ』




まあ、使い勝手が悪くて使わないけど




『ああ、毛利。お前は私に憎悪とか憤怒とか抱かないの?ほら私、小長井のこと、どーにかしちゃったし』

「興味ない。我はあの女など、道端の草と変わりない」

『あっそ』



(生きることは重労働さ)
(死ぬことは簡単だ)