石田三成視点


私がずっと想い続けた白名は、あいは、伊達政宗によって、死んだ


なんてことだ



「伊達………政宗ェエエエエエ!!!!私は貴様を、許しはしない!!!」



二度と帰らぬ者と化したあいは、切なげに笑んでいる

頼むから、もう一度私に笑んでくれ

もう一度私の名を、呼んでくれ



「許さない…………許さない………!!貴様を絶対許さない!!!」

「ああ…………それでいい………」



己の感情さえ失われたかのように、伊達政宗は悲しげだった


ふざけるな……


貴様があいを、あいの死を悲しむ資格などない

貴様があいを、殺したのだから!




「あい………」

「黙れ!貴様があいの名を口ずさむな!」

「……あい………」

「黙れ!!」

「石田………俺を、殺せ……」




――俺は、あいを殺した。あいのいない世界で、生きたいと思えない


たしかに奴はそう言った


殺してなど、やるものか


死ぬまで苦しんで苦しんで苦しんで


あいの死を受け入れろ



「貴様に刃を振るう必要さえない」



私はあいの亡骸をいとおしげに抱きか抱える



「………あいを、どこに連れてく気だ」

「貴様の下になど、置かぬ」

「あいは、俺の妻だ」

「戯言だ」



全て全て、戯言だ



「あ、い…………」



―――佐吉様


声が確かに聞こえた

でも、温もりは、ない