両立している立場

それは、あいつのためにあるような言葉だった


豊臣でもあり裏切る立場でもあり


それは俺にとって幸か不幸かなんて、分かりはしないのだが



「はじめまして、だな、独眼竜。ワシは三河の…………」

「長ったるい挨拶に興味ねぇ。悪ィが俺は気が長くなくてね」

「ははっ。そうかそうか。では、単刀直入に聞こうか」



俺は回りくどくなく、率直な欲望を家康にぶつけた



「豊臣を潰す気はねぇか?」



家康は、目を丸くした

そりゃそうか

今現在、自分の肩入れしているところを裏切るなんて


白名のように、簡単には出来ねぇよな




「………何故、だ?」

「理由なんてどうでもいいだろ?」

「ワシが豊臣にいるのを知っての願いか?」

「yes………。テメェは豊臣秀吉は、泰平の世に出来ないと知ってんだろ?なら、俺と手を組んで民のためといこうじゃねぇか」




白名にとってその先は、地獄でしかないが

俺にとってその先は、幸福でしかない




「……………今、決断を出さねばならんか?」

「ああ。言ったろ?気が長くねぇって」




家康は俯き、深い溜息を吐いた

そして、明るい瞳で答えを導いた




「分かった。いつかこの日が来ると分かっていたことだ」

「Thank you……家康」




さて、こちらの準備は整った

あとはあいつに合う戦場と白装束でも用意しとくか