私は無花果琴香が大嫌いだ

五ヶ月前転校してきた奴で、転校早々男子に色目を使って

気持ち悪さのあまり、身の毛が弥立った



「ぜーんきちぃ!」

『あ、あぁ。無花果』

「んふふっ。琴香って呼んでってばー」

『悪い。俺は仲良くなったやつしか呼ばないんだ』

「えー?じゃあ、琴香は善吉といーっぱい仲良くなるねぇ?」



それはいいから、腕を離してほしい

こんなとこ、あの三兄弟に見られたら色々と終わる



「無花果同級生。善吉はこれから生徒会の仕事があるんだ。悪いが、離してやってくれ」

「あ、黒神さん!うん、分かったぁ!気付かなくて、ごめんねぇ?」

『いや………』



あーあ、見られたよ

お母さんに恩の一つも返せてないってのに

私、殺されちゃうかなぁ?















「名前、何のつもりだ?」

『何のつもりとは?』

「あれほど無花果同級生と接点を持つなと言っただろう!?」



激怒ですか

やめてくださいよ、可愛い顔が台無しじゃないか



「へー、ほー。名前、あいつと話ししたんだあ」

『くじ、らちゃん…………』

「いやいや、駄目だなあ、名前。先輩の言うこと聞けないなんて」

『あれは不可抗力だったし』



くじらちゃん、めだかちゃんがいるってことは

ああ、真黒ちゃんもいるなぁ、これは



「あはは。だから言っただろう?いっそ殺してしまえば、一件落着だって」

「お兄様、それでも構いませんが。一生名前の声が聞けぬ、笑顔が見れぬ。めだかにとっては苦痛です」

「お兄ちゃんよー、思考が古くて危ないぜー?」

『ちょっと、人権無視ですか?あいあい、分かりましたよ』



五ヶ月間、散々あの女の行動を見れたし

もういい加減腹も膨れてきたとこだ



『終わりにするよ。それでいい?』

「名前、それは無花果同級生を殺しても構わないということか?」

『うん』

「ま、名前に手出した奴だしよー。俺が凍る火柱(アイスファイア)で凍らせて丸焦げにしてやるよ」

「じゃあ僕も当然参加かな?お得意の解析(アブノーマル)で弱点を探るとしますか」



悪いね、無花果

お前に恨みこそないが、嫌いなもんでね

私も、めだかちゃんもくじらちゃんも真黒ちゃんも

明日が、君の命日だ















「善吉?琴香をこんなとこに呼び出してどうしたの?」



私が処刑場として選んだのは、生徒会室

無論、阿久根先輩と喜界島は退出済みだ



『んー、色々とな』

「あ、もしかして告白ぅ?やっだ、恥ずかしいじゃない―――――」



グシャッ



「………あ、れぇ?」

「おいおい黒神ぃ。俺の分も残しとけって」

「ご安心ください。まだ存命です」

「兄貴曰く弱点頭だっけ?ま、フツーそうか」

「黒神さん………?名瀬先輩……?」



まだ現状を把握しきれてないようだ

そりゃそうか

いきなり頭蹴られるなんて思わないか

しかもめだかちゃんに




『ごめんね、無花果。ほら、今までいっぱいいい思いしたでしょ?』

「善吉ぃ?え、なに?」

「お姉さま、私はもう一発ほど蹴りたいのですが」

「俺は一発もやってねーって」

『めだかちゃん、くじらちゃん。私後ろ向いてるね?ほら、グロいの苦手だし』



さて、ここからは音声だけでお送りしましょー☆














『うっわー、えげつないね』

「まだやりたりないところだ」

「同じく」



なんていうか、こー

表現のできない死に方ですね、はい

あれ、顔どこよ



『ま、いいや。二人ともありがとー。お礼に今日うちで晩御飯食べよー』

「そうだな。お兄様は放置か」

「いや放置しないでよ、めだかちゃん」

『真黒ちゃんも来る?』

「もちろん。断る理由がないからね」




私達四人は暗く染まったコンクリートを仲良く歩き始めた



―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―
緑呪様へ
善吉成代は初なので、ちゃんとなっているか……
あの三人のヤンデレは難しいです
女の名前は「いちじく ことか」と読みます
ご期待のように添えなかったら、申し訳ありません
リクエストありがとうございました!





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