それは、吐き気のするような世界だった

私は愛されていた
私は好かれていた
私は嫌われていた
私は恨まれていた



それは、笑えるような世界だった

だって、皆馬鹿なんだもの
だって、皆クズなんだもの
だって、皆阿呆なんだもの
だって、皆息絶えてるもの



それは、私のいた世界だった

私は生きた
私は食べた
私は喋った
私は死んだ














私には、大嫌いな女がいた

それは男子に媚びを売るし
それはいつも香水臭いし
それはいつも厚化粧だし
それは癪に障る喋り方だし


私を狂わすには、もってこいだった


あぁ、もう


馬鹿みたいな世界は嫌い




「蓮夜ちゃん!帰りさ、ゆうの、欲しい物があるんだぁ」

『はぁ。そうですか』

「一緒にお買い物付き合ってくれない?」




人継(ヒトツギ)ゆうの

きゃぴきゃぴ気持ちの悪い




「蓮夜ちゃん、ゆうのといるの楽しくなぁい?」

『楽しいですよ?』

「だって、笑ってくれないんだもん」

『つまらないから、でしょうね』

「………今、楽しいって言ったのに」

『楽しくない、とつまらない、を同義語にしないでいただけます?』




私が望んだのは、平和でも平穏でも普通でもない

刺激があって、楽しくて


この女みたいな馬鹿な女がいて




ピピッ


『おや、メールですね』




from:神様
dear:蓮夜

面白い世界を見つけた
遊びたいのであれば、自宅へ来い




私は笑った
嬉しさ故、興味故




『人継さん、失礼しますね。私、用が出来ましたので』

「蓮夜!あんたは、私のことなんて嫌いだったの!?」

『ええ、大嫌いですよ。癪に障るし、気持ち悪いし』

「何で私と一緒にいたのよ!騙してたの!?」

『騙した?私は狸じゃないですよ。貴方と一緒にいた理由はないので、適当に作ってください』




あ、しいて言えば、社交辞令ってところですかね?



そう吐き捨て、私は自宅への足を速めた

後ろで固まっている、人継を残して
















『こんにちは、神様』

「よっ、蓮夜。相変わらず美人だなぁ」

『そんな前置きどうでもいいので、要件をお話ください』

「冷てぇなぁ。人が折角見つけてやったのに」

『それに関しては感謝しますが』



台所へ行き、二人分のコーヒーを作る

私はブラック派だが、彼の好みなど知らないし(知りたくもないし)

考えるのさえも面倒だし、ブラックにしてしまった




『神様、ブラックでいいですか?』

「なんでもおっけー」

『それはよかった』




一口啜り、鋭い目つきで彼を睨む




『で、メールの件は?』

「いやいや、普通のゲームの世界なんだけどな?ちょーっと弄ることも可能ってことで」

『弄る?』

「そ。例えば、痛んでる奴等、とかね」

『そうですか。そうですね』

「反応薄いっ。ど?」

『多少のことをおまけしてくれるなら、行きましょう』

「どんな?」

『そうですねぇ…………』



彼は頭に疑問符を浮かべながら問う



『                』

「厳しいねぇ。ま、愛する蓮夜のためだし、頑張っちゃおう」

『それはありがたい』



私は、世界を捨てた



うつくしき、もの

(私は愛に飢えている)
(……なぁんてね)



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夢主ちゃっかり転生っ子
だからミーハーなんて知ってる
BSRの世界のが夢主は好き
この神様と前回の神様は同一人物
裏話↓
転生前はちゃっかりdrrrだったり
番外編とかで出す予定

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