*天女視点
*トリップ前


日常が日々が毎日が平穏が普通が恋愛が遊戯が退屈だった毎日


私は裕福な家庭に生まれた

顔もよく頭もよく

才色兼備、眉目秀麗、文武両道

それは、私のためにある言葉だと信じていた


高一の春、私は学校一モテると言われるサッカー部の子に告白された

別に好きではなかった


でも、この人と付き合えば、皆私を羨ましがる

微かながらも、優越感に浸れる


それを味わいたかった故に、付き合った


今は高二の夏


今もまだ、交際は続いている


友も女も皆私を羨ましがる


優越感に浸った



でも、それは一瞬だけだ


すぐ、つまらない現実に戻される



あぁ、つまらない













「神様っていると思う?それがいるんだよ」

「は?」



それは、突然だった

中二病発言を軽々とする



「お前いつもバサラ行きたいーって言ってたじゃん?」

「当たり前よ!あそこに行けば、皆私を見てくれるもの!!」

「あそこはマズイって。な、他じゃ駄目?」

「嫌!」

「うーん………あそこはなぁ、痛んだやつ、多いし



ボソリと言った言葉は、私の耳には届かない



「な、まじでまじで。無双とかは?」

「私はバサラのほうが好きなの!いいからさせろよ!」

「うわっ、怖いねぇ。仕方ない。特典四つまで。おーけー?」

「四つ?」

「うん。今二つ叶える」

「じゃあ、可愛くするのと、傷が早く治ってほしい」

「うわっ」



おぇ、っと舌を出しながら彼は言った



「言っとくけど、後戻りできねーから」

「しねぇよ!」



私は、直後に、上田城に落ち、天女と呼ばれ始めた



踏み躙った、幸せ

(私がこの世界の神)
(不自由なんてない)


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