私は、笑う



筆を持たぬ絵師
才を持たぬ軍師
刀を持たぬ武士


これらは、役立たずだ



「どうして三成たちは武器を捨てないの?」

「ほざくな小娘。武器を捨て、一体どうなる」

「私のいた世界では争いなんてなかった!皆には傷付いてほしくない!」

「黙れ、戯言だ」

「お願い、武器を捨てて。私は……戦ってほしくなんかないよぉ………」



戦うことを前提に考えるから、そんなにおめでたいのだ

戦うことを前提にするな

生きることを前提にしろ



「家康や政宗は武器を捨ててくれたよ……」

「っ、黙れ!あんな弱者の名を口にするな!」

「弱くない!領民のことを一番に考えてる家康たちは弱くなんてない!弱いのは武器を捨てないで、恐れてる三成たちだよ!」

「貴様ぁ……!言うに事欠いて、私が弱いだと……!?」

「弱いよ!だって、怖がってるんだもん!」



まるで予め作ったような言葉を並べているな

くだらない、くだらない



『美月、では聞くが。弱いのは、いけないことなのか?』

「………そういうわけじゃ……」

『では。美月、お前は、強いのか?』

「っ………………」

『強いわけがない。だって貴様は、言葉の羅列を並べているだけなのだから』

「私は、皆に争ってほしくなくて……」

『弱い貴様が、強い奴に勝てはしない』

「孫市は、どうして……そんなに………」



そんなに、冷たいの?


冷たい?私が?



『ふふっ………酷くつまらん比喩だな……』

「え…………」

『私は、冷たくなどない。純粋に、貴様が嫌いなのだ』



は、笑う