not 絵心



※「勤しめ!仁岡先生」のパロ



「よし、鬱陶しいmathが終わったぜ!元親、次なんだ!?」

「美術。美術室だとよ」



美術、という単語が耳に入った

ああ、あのまま数学がずっと続けばよかったのに



「白雪、行こうぜ」

『ほざくな、馬鹿が。私は保健室に行く』

「what?毛利、どうした?」

『どうもしない』

「しかし、保健室に行くとは、具合が……」

「いや、違うぜ、政宗、真田。次の授業は美術だ」

「そうだが……」



一拍間を置き、爆弾を投下した元親



「白雪、美術駄目なんだ」

『………グスッ……』

















『ふん、美術など将来使うわけでもなかろうに』

「捻くれたこと言ってんじゃねぇ。さっきまで泣いてたやつが」

『泣いてなどいない。あれは少し目から少ししょっぱい水が流れただけだ』

「泣いてんじゃねぇか」



あの後元親の爆弾発言によって、伊達と前田が腹を抱えて爆笑した

あの二人を孫市とかすがに屠ってもらい、現在美術室に



「白雪、私も美術が得意なわけではないが、やらなくては何も始まらないぞ?」

『うっ………。しかし、私は美術云々の前に絵心ゼロなんだ』

「でもこいつ、小学生の頃展覧会かなんかで賞とってたぞ」

「すごいじゃないか。何描いたんだ?」



小学校って………

元親め、よくそんなこと覚えてたな




『たしか、私と元親と石田と鶴姫と孫市とで動物園行った絵だったな』

「へぇ………」

『で、その時の審査員のコメントが、“人間の自然破壊や動物の無益な殺戮に対する神々の怒りがよく表現されています”だった』

「俺は!?」

「白雪ねえさま、モチーフ無視ですか!?」

「と言うか動物どこ行ったんだ?」

「毛利、貴様馬鹿にしているのか!?」

『だから、私には絵心なんていうものがないんだよ!』



ううっ、泣きたい

ちなみにその賞をとった絵を両親に見せると、何とか褒めようと微妙な顔をしていた



「おい、席付け。えー、美術兼英語のザビーが宗教の集まりとかでいないので、俺が勤める。俺は美術に関心もないから、各自描きたいものテキトーに描いとけ。以上」



片倉アバウトだなぁ、おい

あの人、伊達と社会意外どうでもいいのか?




「白雪ー、一緒に描こうぜ」

『いや』

「即答!?」

『私が人なんていう動く物体を描いてみろ。原型を留めないぞ?』

「それでもいいから」

『……ふん。どうなっても知らんからな』



とまぁ、私は元親を描き、元親が私を描くことになった















『………………』



駄目だ、私には美術の才能が皆無なんだ

絵心ゼロというか美術の才能自体がないんだ


なんだ、これ

あれ、私は元親を描いていたんじゃ?



「お、白雪終わったかー?」

『………一応』

「ん、俺が描いたやつ」



………うまっ!

なんだこいつ、身体ゴツイくせしてなんでこんな絵上手いんだ?



「ほら白雪、見せろ」

『…………ベートーヴェンの運命を流すなよ?』



渋々見せれば、元親は



「…………………」



絶句した



「白雪………。お前、俺無視して北欧神話の悪魔描いてんじゃねー!!!」

『ちげーよ!』

「うるせぇええ!!!今授業中だ!」

「見てくれよ、片倉!」

「先生をつけろ」

「白雪の描いた絵!」

『あぁあああああああああ!!!!貴様、私の絵(北欧神話の悪魔)を!』

「……………」



ほら見ろ!

片倉まで微妙な顔するんだ!



「………うん、個性的……だな」

『知ってるぞ!個性的という言葉が慰めに多様されることを!』

「………まぁ、長曾我部、毛利は必死に描いたんだ」

『片倉…………』

「たとえこれが北欧神話の悪魔でも

『帰る』



今日の美術の結果
⇒やっぱり美術は嫌いです



not 絵心

(白雪ねえさま、北欧神話好きですか?)
(はい?)
(不良さんから聞きました。北欧神話の悪魔描いたって)
(元親ぁあああああ!!!!!)




―あとがき―

「勤しめ!仁岡先生」の美術パロ
きっと毛利は美術駄目な気がする
他の教科なんでも出来そうだけど