先日の女、宮古の発言を発端に、私と小十郎の関係が疼きはじめていた

何故、何故!!!

小十郎には何もしてない、私は小十郎が何よりも好きだ

あいつを傷付けるようなこと絶対にしない!



『小十郎、ちょっといいか?』

「いえ、申し訳ありません。少し用事がございますので」



泣きたい

でも、一体どこで、誰の前で、泣くべきか


私の苦しみも悲しみも痛みも理解してくれたのは小十郎だけだ

泣くときだってあいつは文句一つ言わず、私を宥めてくれた


なのに、今は、



「クスッ。ざまぁ」

『………よう、宮古。景気良さそうじゃねぇか』

「お蔭様で。あんたの従者馬鹿ね。私がちょろっと演技すれば戸惑って」

『Ha!やっぱりテメェの仕業かよ』

「今だって構ってもらえなくてさ。やっぱりあんた、今も昔も、これからもずーっと一人なのよ。梵天丸君」



グシャッ!


その名を呼ばれた瞬間、私は近くにあった柱を破壊していた

無意識だった


木の破片が辺りに散らばっている



「ばぁか」



私は静かにその場を去った