人政視点


実際この女、宮古彩香を暇潰しにしてやろうと思った

だが、この女を気に入ったわけでも、未来から来たというのを信じたわけじゃない

小十郎に言えば、渋々だが了承してくれた


そしてこの女、私を見る度に重くなるような殺気を私に向ける

どうやら、私のことは嫌いなようだ

構いはしない。それもまた一興だ。



「…………ねぇ、なに、買い物って」

『Ah?』

「あんたが言ったんじゃない」

『お前は人が言えばそれを次々と鵜呑みにするのか?余程苦労な生き方してるな』



用なんてない、買いたいものも無い

ただ城から抜け出して、コイツで暇を潰そうと思っただけだ


正直、反抗されると思ったがノコノコと着いてきやがった

foolとはこういう奴のことを言うのだろう




『ねぇよ、用なんて』

「はぁ?」

『お前で少し暇潰しでもしようかと思っただけだ』

「………ねぇ」

『Ah?』

「私があんたを嫌いで、殺したいって言ったらどうする?」



別にどうもしない

先も言ったとおり、構いはしない

女一人に殺されるほど、弱くない



『どうもしない』

「じゃあ、殺していい?」

『出来ないだろ?』



未来から来たのなら、私を殺すなんて不可能だ

未来がどんなのか分からないが、最初私を見ただけで怯えたコイツに私を殺す勇気があうとは思えない



「私はあんたなんて大嫌いよ!私を見下した風に!なに、何なの!?あんたと言い、神様といい!」



叫び散らすその姿は、crazyだった

弱いのに、威嚇するそれは、多少の殺気さえ感じた



「嫌い嫌い、大嫌いよ!」



嫌われるのは、慣れっこだ



「殺してやる!」



殺されるのも、殺されかけるのも



叫んだクレド

(私はいつだって)
(一人だからさ)