『ふんふふーん♪』


床に容赦なく、カラーペンで落書きする小学校低学年のような女児

茶色く、長い髪は縛っておらず、薄いワンピースを着ているだけだ


しかしこの女児、もとい少女、中身は十九歳というから世も末だ


さらにこの少女、身体能力はゼロに近いが脳味噌をちょろっと回転させるだけで何でもしてしまうからさらに世も末だ



『んむ?誰かボクの噂しなかったかい?』

「……………みづな様、またそのように落書きをされて………」

『小十郎だー。ねー小十郎、ボクお腹空いた。佐助の手作り柏餅食べたい』

「猿飛でしたら、道場にて真田達と鍛錬されております」

『あい、おんぶ』



溜息を吐き、背に「みづな」と呼ばれた少女をおぶる

傍から見れば、いい年したおっさんがロリを拉致ってるようにしか見えない






















『あーい、佐助ー。佐助ー』

「おっと、みづなちゃん。こんなトコ来たら危ないよ?」

『お腹空いたんだー。柏餅食べたい』

「あとで作ってあげるよ」

『今がいい』

「みづな、あんま迷惑かけんな」

『まーちゃんっ。まーちゃんだ。まーちゃんまーちゃんまーちゃん!!』



勢いよく政宗に飛び付くみづな

嬉しそうに笑い、頬を擦り付ける



『まーちゃん暖かい!』

「うわっ、竜の旦那ロリコンみたい」

「黙れmonkey。どこの世界に実の姉、しかもロリ体型襲うやつがいんだよ」

「ここに」

『むっ、ボクはまーちゃんの妹だよ』

「だから違ェつってんだろ」



そう、この少女、もといみづな

伊達家17代目当主、伊達政宗の実姉なのだ


なぜこんなに小さいのかよく分からない




『あ、聞いて聞いて。ボク、身長縮んだ!』

「誇るな。お前それ以上縮んでどうすんだ。蟻にでもなりてぇのか?」

『これで身長は136pになりましたー』

「monkey、あとでみづなに牛乳飲ませろ。拒んだら胃空けようが腹割ろうが口に流し込もうがしろ」

「いやいや、幼児虐待になっちゃうから」

『やー、ボク牛乳嫌い。ねー、ゆーちゃん?』

「某、ちゃんと牛乳飲んでいる故」

『おいしい?』

「うむ。なぜみづな殿は嫌いなので?」

『くさい』



よじよじと政宗から下り、てちてちと覚束ない足取りで道場を出ようとする




「みづな様?」

『お散歩』

















『あー、鶴ちゃんだー』

「あ、みづなちゃん!」

「あ、チビ助」

『蘭丸もチビじゃん』

「お前ほどちっちゃくないやい」

『なにしてんの?』

「かくれんぼです。今の鬼は不良さんです」

『元親大人げない』

「悪かったな大人気なくて。おら、鶴の字、悪餓鬼、じゃんけんで鬼決めろ」



ちなみにみづなはかくれんぼやおにごっこといった遊びをよく知らない

幼い頃当主争いやら政宗の右目やらで遊びどころではなかったのだ















『半兵衛くん、元就くん、三成くん、何してるの?』

「見て分からぬか?勉強だ」

『あいあい。見して』



三成から教科書をとり、一通り目を通す

みづなは納得したように、三成に教科書を返す



『そんな問題でつっかえるとは若いねー』

「黙れ幼女」

『ボク教師の免許とか特許持ってるもん。それぐらいごはん食べるより簡単だよ』

「僕らは君ほど頭良くないんだよ」

『半兵衛くんは将来有望なんだから頑張ってっちょ』



ぴょんっと椅子から飛び降り、ドアで









コケッ


『あだっ』



こけた



「…………政宗君か小十郎君呼ぼうか」

「そうだな」



――――――――――――――――――
以前書いたアホ政宗姉
ロリが書きたいんです、ロリが
見捨てないでください
普通のじゃつまんないから、復活の混合とか?


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