「あんたなんかがいるからっ、お父さんだって帰ってこないのよ!」

『ごめん、なさい……………』

「ああ、もう。どうしてこんな子、産んだのよ」



あんたなんて、生まなきゃよかった


それが、母の口癖

私がいるとお母さんはイライラするし、お父さんは出張から帰ってこない

そしてお母さんのイラつきは、私へと来る

仕方のないことだ

すべて私が悪いのだから














屋上は、広々としていた

誰もいないし、誰も来ない

だから私は、「いつも」死ぬときここを選ぶんだ

脆いフェンスを壊せば、ほら

私を叩き付けるコンクリートが見える


さあ、ほら

また私を叩きつけて、今度こそ殺してみせてよ



「―――なにしてるんだ!?」



ぐっと掴まれた腕により、落ちることは許されなかった

今度は、死ぬことさえ許されないのか



「そんなところから落ちたら即死だぞ!?危ないなぁ」

『………いいんだよ、死んでも。だって私が生きていても誰も困らないもの』

「そんなことはない。きっと、いや、絶対に誰かが悲しむ」

『誰も悲しまないよ。だから、ねえ。私を死なせてよ。ううん、どうやったら死ねるの?』

「――――――え?」



今まで何度もここから落ちた

一回目は家族がいやで、二回目はクラスがいやで、三回目以降は、忘れて

でもどれだけ落ちても、死ぬことは出来なかった



「――――死を選べるだけ、それはマシだ。ワシは、」



死を選ぶことさえ、許されないのだから


彼は、そういった



『どうして?』

「ワシはどんな辛いときも、死という選択肢を選ぶことはできない。否、死という選択肢さえない」



だから、そう死のうとするな


何故だかその言葉は、ひどく重みがあった



――――――――――――――――
力尽きたので途中で終わり
死ぬことが出来ない夢主と死ぬことを許されない権現
実際石田か筆頭でもよかったけどまぁそこはおいおい


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