『私が死んだら泣いてくれる人はいるのかな』
「いるわけないだろう。そんな物好きなやつ」
『三成も?』
「笑ってやる。罵ってやる。見下してやる」
『死人に酷いことするね』
伊達冬雨、通称雨姫
冬の雨の日に生まれ、病気持ちの伊達政宗の実妹
一国の姫であるにも関わらず、城を抜け出す様は、童のようだ
「早くくたばってしまえ」
『酷いね。兄様に怒られちゃうよ』
「知るか」
次の歳までは生きられない
そう告げられた、侍医からの言葉
冬雨は、構わない、そう答えた
『兄様はね、私のことなんて嫌いなんだよ』
「そうだろうな」
『兄様には愛様がいるもの。私なんてお飾り。早く死ねって思ってるんだよ』
「そうだろうな」
『きっと貴方もそう思ってるんでしょ?』
「どうだろうな」
ふふっ、と笑い嫁ぎ先の書かれた紙を握り潰す
****と書かれた紙と醜く歪んだ
『私なんかが嫁いで嬉しいのかな?』
「さあな」
****、それは、
『きっと寂しいよね。不満だよね』
「さあな」
『自分のことなのにね。三成』
私は、静かに目を伏せた
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三成が好きすぎる
病気主の主人公
筆頭は夢主が嫌い
とりあえず三成相手が書きたかった
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